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On Your Mark  作者: おかか
17/46

My promise to you

今回過去の二回目です好きになってください。


今いるこの世界が本当は地獄で、本当の世界は死んだ後って話知ってる?



そうだったら私は嬉しいのかな?





「ママ大好き!」


そういつも口癖のように言ってたのは私の六つ上の姉  静菜(シズナ)


でも死んじゃった。私が七歳の時に。




吉条(・・)由夜─────────七歳


私のママは放任主義で、いつでも好きなことをなさいと言った。

そんなママは、社長だった。あまり会社は大きくはなかったけどね。

女社長のママはとってもカッコ良かった。仕事に厳しい人だったけど私たちには甘かった。

そんなママだったから私のことはゆーちゃん、姉のことをしーちゃんといった。



「ほんとゆーちゃんはお絵描きが好きねえ」


「うん大好き」


二人とも優しかった。  とても、とても。



その日は姉と一緒に通ってたバレエ教室の発表会だった。風邪をこじらせて行けなかった私は行ける元気な姉が羨まして、ついケンカしてしまった。


その日は姉がバレエに行くまで口を利かなかった。

姉は私の分も踊りを頑張ってくれたと後になって聞いた。








帰り道に姉は死んだそうだ。






交通事故だった。




事故の場所は薬局のすぐ近くだった。


姉は私に薬を買いに行き   死んだ。







私は今あまり姉のことを覚えていない。









自己防衛  










なのだろうか。





あの家族で過ごした楽しかった時間はやっぱり戻ってこなくて。






ママは昔のママを捨て、母となった。


放任主義ではなくなった母はスパルタ教育者となった。







勉強もやった。英語だって喋れるようにした。マナー教室も通った。絵を描くこともやめた。友達だって母の言うとうりに選んだ。





バレエだってやめた。






でも母は壊れていった。


姉が死んだという近所での噂も。


スパルタになったことも。


姉をあの日バレエ教室に行かせたことも。



すごく自分を責めて、



すべてが負担で壊れてしまった。







私と部下が母の中で混じり見分けがつかなくなった。




”この書類書きあげなさい”だって




私は部下ではないのに。












いつしか母の中での私は死んだことになっていた。




私は従姉の子供だそうだ。


私の呼び名はユヨルからカナエちゃんになった。


私の知らない女の子の名前。




姉が死んでから四年たち私は十一歳になった。


母は







飛び降りちゃった。








帰ってきたら救急車が止まってた。


会社が潰れたから。



泣いた覚えがある。


私のことを忘れちゃった母がついに私のことを思い出さずに逝ってしまったから。


あの家族の雰囲気はもう私しか知らないから。




サヨナラはあまりに突然で





私に別れのあいさつもさせてはくれなかった。






母はもともと家を飛び出して会社を作った人だったし、父はいないし誰も知らなかった。


引き取る人などなく、施設に入れられることとなった。




施設では誰とも仲良くなることはなかった。


母も姉も早くに亡くしている私はみんなから”死神”と言われていたし。その施設は育児放棄で捨てられた子が多かったから、ある意味一時期でも家族のいた私は疎ましかったのかもしれない。


それには納得したけどね。


前いた友達もそれでいなくなったし。



施設に入って一年たったある日、私は老いた夫妻にもらわれた。


同じ施設の男の子と一緒に。


名字は”吉条”から早川になった。


変わった時もう姉には会えないことを痛感した。



この年に私は中学生になった。


私は小学校からなるべく遠くの学校を選んだ。


今思うとリセットしたかったのかもしれない。






私はそこで久しぶりに友達を作った。


居てもいなくても変わらない友達を。


だからそんなに仲が良かったわけじゃなかった。






でも中二の時。


私は消えてほしくない人ができた。









私はその人を拒絶した。









消えてほしくないから。








「どうして避けるんだよ!ユヨル!」



「だって!─────君が!」


「なんだよユヨル!」






「私!  今の家族本当の親じゃないの!」

ぶちまけるように言った。


「えっ?」


「私の家族はもういないの!」

吐き捨てるようにも言った。


「どういうこ


「死んだの!」


「......」

彼は絶句した。


「私は”死神”なの!」



私は”死神”。   


心の奥の底ではそう思ってた。








































だって私のせいじゃない理由なんてどこにもなかったから。













































「だから!─────君を失いたくない!もしかしたら!死


「  しなねーよ  」


小さな声だった。


小さすぎて理解できなかった。


「えっ?」 


「オレは死なない。」


「でももしかしたら!


「お前と半年一緒にいても死ななかった!」


「そんなの!」


「いいか!ユヨル!オレは死なないって言ったけどほんとは死ねないんだ」


「死ねない.......


「そう!オレにはな!好きなやつがいて.....



この時死ねないって言ってくれて本当に嬉しかった。とっても。


 

多分もう好きだったんだと思う。


あのときは泣きながら笑ってありがとうって言ったけど、実はすごくつらかったんだよ?


この思いは届かないんだなあって思ったんだよ?

                       

ナツキちゃんと仲良くなるのは最初複雑だったけど、ナツキちゃんはとても優しくて憎めやしなかった。


私がナツキちゃんにあなたへの思いを打ち明けたのはナツキちゃんがあなたのことを好きだったとしても言いづらくさせるため。


ナツキちゃんは即答で応援するねといったけどね。






醜いね、醜いけど





ぜんぶぜーんぶあなたの近くにいたいからだよ。


好きになってもらえるなんて思ってない。


でも少しでもこのままがいいの。



















もしナツキちゃんと両想いになっても、





















約束は守って。






















死なないで。カイト君。












































































I beg a favor of you


───────────お願いがあります。


                                                                                                                                                                                           

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