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モブ男子のオメガが本能で極上の巣を作ったら、不眠症のドS王太子に安眠枕として捕獲されました〜逃避と溺愛の学園生活〜  作者: 水凪しおん


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番外編 第2話「マリーナの聖女式クッション開発秘話」

 私、ヒロインのマリーナ。

 聖女として覚醒したけれど、魔王退治よりも大事な使命を見つけちゃったの。

 それは……ルカさんと一緒に「世界を癒やす最強の寝具」を作ること。

 今日は、その新作素材を探しに、ルカさんと一緒に伝説の「雲綿の森」へ冒険に来ています。


 「マリーナさん、足元気をつけて。そこ、眠りのキノコが生えてるよ」


 「はーい!」


 ルカさんは、冒険用の装備も完璧。

 リュックには折りたたみの簡易座布団と、虫除けのアロマポプリが入っているんだって。

 さすが巣作りのプロ。


 「目的の雲綿は、この森の最奥にある巨木に実るらしいんだ」


 「あの、ふわっふわで、一度触ると指が沈んで戻ってこないという幻の綿ですね!」


 「そう。それを手に入れて、アレクの執務椅子用クッションを作るのが目標なんだ」


 ルカさんは真剣な顔で地図を見ている。

 王太子殿下への愛が重くて素敵。

 森の中を進むこと数時間。

 私たちはついに目的の木を見つけた。

 枝の先に、まるで入道雲のような真っ白な綿の塊が実っている。


 「あった!」


 私が駆け寄ろうとしたその時、茂みから巨大な熊が現れた。


 「ガアアアアッ!」


 「きゃあ! 魔獣だ!」


 「マリーナさん、下がって!」


 ルカさんが私の前に立つ。

 でも、ルカさんは戦闘向きじゃない。

 どうしよう。

 その時、ルカさんが取り出したのは剣ではなく……巨大な布だった。


 「くらえ! 即席・ハンモックトラップ!」


 ルカさんが手際よく布を木々の間に放り投げ、あっという間にゆらゆら揺れるハンモックを設置した。

 熊が突進してくる。

 しかし、そのハンモックの絶妙な配置と、ルカさんがばら撒いた「熟睡ラベンダー粉末」の効果で、熊はハンモックに足を取られ……。

 ぼふん。


 「……?」


 熊は柔らかい布に包まれ、ゆらゆらと揺すられた。

 その心地よさに、熊の目がとろんとしていく。


 「グル……グゥ……ムニャ……」


 数秒後、凶暴な魔獣は、ただの大きなぬいぐるみのようにスヤスヤと眠り始めた。


 「す、すごい……!」


 私は感動で震えた。


 「暴力ではなく、快適さで敵を無力化する……これがルカ流の戦い方!」


 「ふう、危なかった。さあ、熊さんが起きないうちに綿を採取しよう」


 私たちは無事に雲綿をゲットして帰還した。

 後日、その綿で作ったクッションに座ったアレクセイ殿下が、会議中に気持ちよすぎて公務を放棄しかけたのは、また別の話。

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