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第一話

はじめまして。あいろねと申します。戦いを捨てた少女を描いていきます。

終わった......。この戦いがやっと。誰が勝ったとか負けたとかどうでもいい。


私はもう誰も殺さなくていい。目の前に立っている兵士も、もう飢えと死に怯えなくていい。なんて幸せなんだ。



魔法で焼かれた大地、崩れた城壁。


もうこの力を誇示のために、何かを奪うために使いたくない。



「エリス......エリス!!俺達勝ったんだ。俺達英雄になったんだよ!!歴史に残るんだよ、俺達のこと。」


「......そうだね、私達勝ったんだ。英雄になっちゃったんだ。」



——こんなことで英雄になんて、本当はなりたくなかった。



一輪の花を見つけた。焦げた土の中でただ咲いているだけの花。その花は強く、そして淋しく見えた。



基地へ帰っている道中に聞こえた、「英雄」その言葉に似合う人にはなりたくない。得た喜びの顔の中に、失った悲しみが隠れている。その喜びは私はいらない。


「守りたい」そう願ったから軍に入った。なのに入ってからは奪うばかり。



強さとは奪うだけの力なのだろうか。果たしてそれだけが善と信じて疑わないことを間違ってると思ってしまうのは、私がおかしいのだろうか。



私の力が奪う象徴になってしまうのが心から嫌だった。



                   ◆◆◆



「......君にお願いしたいことがあるんだ。護衛司令室に来てくれないかな。」......なんだろう。護衛司令長からのお願い......嫌な予感がする。



「よく来てくれたね。君には人を殺す魔法を開発するようお願いしたいんだけど――」


「護衛司令長、お言葉ですが、私はもう人を殺したくはありません。『国を守れる』と聞いて入ったのに人殺しのことしかしないじゃないですか。人殺しは最終選択じゃないんですか。」



「......そんなことを言う気持ちもわかる。でも、人を殺せば『この力を持った者に勝った』ということじゃないかな。絶対に人を殺す事ができるなら、誰よりも強くなった証じゃないか。そうすれば絶対的な正しさを持つ唯一の国になる。そして今、守らなければ、殺さなければ更に人が死ぬことになる。君は世界一強い。だから必要だ。」私の価値観とは合わない。もう限界だ。


「......強さが正しさと信じて疑わないのであれば、私はもう軍を辞職させていただきます。」



私は信じてる。


今日中に荷物をまとめよう。もう軍とはさよならだ。



外がもう暗い。私は足を止めず軍基地をあとにした。そういえば花や人を大事にする村があるって噂程度だけど聞いたことがあったな。行ってみよう。



                   ◆◆◆



ここまでくれば流石に追ってこないよね。


指先を道に咲いてる花に近づける。


光った花達が私に道を教えてくれる。私だけの特別な魔法。「自分の信じた道を歩む」その選択を花達がレッドカーペットを敷いてエスコートして祝福してくれてるみたい。


ただ、花は私を守らない。私の選択を否定しない。



私は歩く。自分の道を信じるために。

ゆっくり投稿していきますのでよろしくお願いします。

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