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枝先の恋

作者: 澳 加純 

春の恋とは なんと心もとないものだろう

枝先の小さな花のようだ


向けられた熱い瞳にときめいた


その瞬間 身も心も薄紅色に染まり 

悪戯な風に弄ばれ 揺さぶられる


それでも踊らずには いられない

はらはらと心乱そうとも はかなくとも


あの眼差しに恋した自分がいけないのだ

つなぎ止める手練手管も知りはしないのに


仕方なし

その報いは 甘んじて受け止めねばなるまいか


でも この想いが散るとばかりは限らない

花は散りても その後には若葉が萌ゆる


その瑞々しさ まぶしさに あの瞳が心惹かれぬとは言えないだろう


浮き立つような華やかさのかわりに 木陰の風に爽やかさを感じるのも一興と

微笑んでくれるかもしれない


移ろう季節と共に 私は成長する

来年は もっと美しい姿をあなたに見せてあげよう




だから

移り変わる私のすべてを愛でて欲しいと願うのは 傲慢なのであろうか





   挿絵(By みてみん)

風に揺れる桜の枝を観ていたら、ふと……。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 桜と揺れ動く恋心がリンクしていて、さらに恋の行方も植物の持つ生命力の力強さと重なり合うような印象を受けました。 春に花を咲かせるため一年間その力を蓄えるように、作中の「私」もまた好きな人の…
[一言] 切ないですね。 グッと来たのです!
2022/04/24 22:35 退会済み
管理
[良い点] 相手を想う切なさが桜の花びらのように散っていくのかと思いきや、想いの強さにうっとりしました。すてきです!
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