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4/10

3.勝敗。

大谷さんの打席見てて投稿が遅れる、というww

あとがきもよろしく! いつも応援感謝ですd(*‘ω‘ *)!!









「なんだぁ!? あのガキも、アグニスみたいに姿が見えなくなったぞ!?」

「同じスキル――いいや。スキルは個々に必ず違うはずだろ!」

「だったら、アイツはなんだっていうんだ!?」



 ルクシオの姿が掻き消え、アグニスの後方に現れたことに観衆はざわつく。本当に瞬きの間の出来事だった。少年は男によって、叩き潰されたはず。

 それなのに、どうして悠然として舞台の反対側に立っているのか。


 そのカラクリを理解できるものはいなかった。

 ただ一人――。



「すごい……!」



 一人の少年――ライスを除いては。


 彼の目には、はっきりと見えていた。

 アグニスが【加速】を用いて、ルクシオに肉薄したこと。そして拳を振り下ろそうとした瞬間に、ルクシオを中心とする時間が急激に遅くなったことが……。


 身体は、その時間に逆らうことはできない。

 だがライスの眼は、確実にルクシオのスキルを【認識】していた。



「この人の力は、すごい……!」



 ルクシオは、周囲のあらゆる物体の速度を変える。

 そして己の身体の速度さえ操り、アグニスを完全に出し抜いてみせたのだ。それだけではない。ライスの眼には、ルクシオの技量さえも視えていた。



「スキルだけ、じゃない……」



 このルクシオという人物は、間違いなく規格外だ、と。

 それを認識したライスは、息を呑むのだった。








「面白れぇ……! 面白れぇぞ、くそガキィ!!」



 いくら【加速】しても捉えられない相手に、アグニスは奮い立つ。

 こんな感覚は久しぶりだった。


 自分に歯向かい、さらには出し抜いてみせるなど。

 肌を刺すような緊張感が懐かしい。何度拳を振るえども、寸でのところで回避される。さらに、ルクシオの繰り出す剣はとかく的確だった。

 狙いすましたように、アグニスの嫌なところを攻め立てる。彼もギリギリで躱してみせるが、次第に劣勢に立たされているのは明らかだった。


 それでも、負けられない。

 アグニスはそう心を燃え上がらせ、一か八かの賭けに出た。



「オラァァァァァァァ!!」



 ――獅子の如く、吼える。


 そして、狙ったのはルクシオの足元。

 躱されるのであれば、その動きを封じてしまえばいい。渾身の力で石造りの舞台を粉砕して、少年の身動きに制限をかけた。

 すると思惑は的中し、ルクシオは眉をひそめて体勢を崩す。


 その上で再度、アグニスは【加速】した。



「喰らえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」



 そして今度こそ、ルクシオの生意気な顔に一撃を叩き込む!



「――――なっ!?」



 ――が、しかし。


 確実に捉えた。

 そう思った瞬間に、少年の声が聞こえたのは――。



「悪いな、オッサン。アンタもすげぇけど、俺とは『相性最悪』だよ」



 拳を突き出したアグニスの、背後から。

 耳を疑った。だが大男はすぐに反応して、振り返ろうとする。


 だが――。





「俺の勝ち、だな?」






 ルクシオがアグニスの首筋に剣をあてがって、そう宣言した。

 それは、誰の目にも明らかな決着。



 アグニスの頬に冷や汗が伝った。 

 スキルの反動か、あるいは緊張の糸が切れたからか。

 大男はその場に尻餅をつき、自身の顔を手で覆う。そして、認めた。



「あぁ、テメェの勝ちだ。……ルクシオ!」――と。






 その宣言を聞いて、ルクシオは剣を仕舞って一息つく。


 しばしの沈黙があって。

 周囲からは、どよめき混じりの歓声が上がるのだった。



 



面白かった

続きが気になる

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