表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/10

5.矛盾と正体。

(*‘ω‘ *)あ、明日が誕生日です(謎報告w

応援よろしくです!!


4/6は誕生日なので、更新お休み!!








 ――数日後。



 アグニスは憔悴し切った表情で、ドゥーサを待っていた。

 床には要求された薬の代金が無造作に置かれている。この日のために彼は、普段の何倍ものクエストをこなしてきた。

 以前のように、誰かに揺すりをかけることはしない。

 至極真っ当に金貨五十枚を稼いだのだ。


 もっとも、自分一人ではできないことでもある。

 ルクシオとライスの二人に協力を仰ぎ、下げたことのない頭を下げた。



「これでダメだったら、俺様は……!」



 思い出すのは、今は亡き妻のこと。

 自分には似つかわしくないほど、美しく綺麗だった女性。

 ただ、美人薄命とはその通りであった。彼女はニアを産んで間もなく、病魔に侵されて命を落としたのである。


 幸い、ニアは自分に似て身体は強かった。

 だがしかし、流行り病は例外か。



「頼む。ミーア……!」



 アグニスは、とうとう目を覚まさなくなった娘を思いながら。

 死した亡き妻に祈りを捧げた。



 どうか、こんな自分の手に残った彼女を守ってほしい。

 アグニスは不安から、思わず涙しそうになった。

 それをぐっと堪えた時――。



「お待たせしました。……アグニスさん」




 待望した救世主――ドゥーサが、現れた。













「……あぁ、本当に良いカモだな」



 アグニスに診察だと言ってニアの部屋に入ったドゥーサ。

 彼はそう口にして、口角を歪めた。


 思惑通りに事が運びすぎて、つい本音が漏れる。




「本当に、馬鹿ばかりで助かるな」




 そもそもの話だった。

 パラライズ症候群は原因不明の流行り病であるはず。だというのに、治療薬を手にした医者など存在するはずがなかった。大きな矛盾である。

 この謎を解くには、簡単な思考転換が必要だった。


 そう――。




「私が『パラライズ症候群』の感染源だと、誰も気づかないのだからな」





 治す手段がある者にこそ原因がある、と。


 しかし、それでもドゥーサには余裕があった。

 例え矛盾を指摘されたとして、偶然に見つけた薬剤に効用があった、と白を切ればいいだけの話。なにせ、この『パラライズ症候群』は相も変わらず原因不明。


 誰もそこを証明できない。

 すなわち、ドゥーサを咎められる者はいなかった。



「哀れな小娘。私に金を積んだ、賢明で優しい父親に感謝するんだな」



 反吐が出るような言葉を口にする医者モドキ。

 身動きの取れなくなった少女にゆっくりと歩み寄り、その顔に触れた。



 ――その瞬間だ。




「今です! ルクシオさん、たしかに『見えました』……!」

「どうやら、年貢の納め時みたいだぜ? ――この、藪医者野郎!」






 二人の少年――ルクシオとライスが、部屋に押し入ってきたのは。






「ほう……?」



 それを白けた表情で迎えるドゥーサ。

 そんな彼とは対照的に、少年たちの後方に控えるアグニスは――。





「てめぇ……! ただじゃ済まさねぇぞ……!!」





 その強面に憤怒の感情を隠さず、浮かべていたのだった。




 


面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!


もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより★★★★★評価など。

創作の励みとなります。


応援よろしくお願いします!

<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ