5.矛盾と正体。
(*‘ω‘ *)あ、明日が誕生日です(謎報告w
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4/6は誕生日なので、更新お休み!!
――数日後。
アグニスは憔悴し切った表情で、ドゥーサを待っていた。
床には要求された薬の代金が無造作に置かれている。この日のために彼は、普段の何倍ものクエストをこなしてきた。
以前のように、誰かに揺すりをかけることはしない。
至極真っ当に金貨五十枚を稼いだのだ。
もっとも、自分一人ではできないことでもある。
ルクシオとライスの二人に協力を仰ぎ、下げたことのない頭を下げた。
「これでダメだったら、俺様は……!」
思い出すのは、今は亡き妻のこと。
自分には似つかわしくないほど、美しく綺麗だった女性。
ただ、美人薄命とはその通りであった。彼女はニアを産んで間もなく、病魔に侵されて命を落としたのである。
幸い、ニアは自分に似て身体は強かった。
だがしかし、流行り病は例外か。
「頼む。ミーア……!」
アグニスは、とうとう目を覚まさなくなった娘を思いながら。
死した亡き妻に祈りを捧げた。
どうか、こんな自分の手に残った彼女を守ってほしい。
アグニスは不安から、思わず涙しそうになった。
それをぐっと堪えた時――。
「お待たせしました。……アグニスさん」
待望した救世主――ドゥーサが、現れた。
◆
「……あぁ、本当に良いカモだな」
アグニスに診察だと言ってニアの部屋に入ったドゥーサ。
彼はそう口にして、口角を歪めた。
思惑通りに事が運びすぎて、つい本音が漏れる。
「本当に、馬鹿ばかりで助かるな」
そもそもの話だった。
パラライズ症候群は原因不明の流行り病であるはず。だというのに、治療薬を手にした医者など存在するはずがなかった。大きな矛盾である。
この謎を解くには、簡単な思考転換が必要だった。
そう――。
「私が『パラライズ症候群』の感染源だと、誰も気づかないのだからな」
治す手段がある者にこそ原因がある、と。
しかし、それでもドゥーサには余裕があった。
例え矛盾を指摘されたとして、偶然に見つけた薬剤に効用があった、と白を切ればいいだけの話。なにせ、この『パラライズ症候群』は相も変わらず原因不明。
誰もそこを証明できない。
すなわち、ドゥーサを咎められる者はいなかった。
「哀れな小娘。私に金を積んだ、賢明で優しい父親に感謝するんだな」
反吐が出るような言葉を口にする医者モドキ。
身動きの取れなくなった少女にゆっくりと歩み寄り、その顔に触れた。
――その瞬間だ。
「今です! ルクシオさん、たしかに『見えました』……!」
「どうやら、年貢の納め時みたいだぜ? ――この、藪医者野郎!」
二人の少年――ルクシオとライスが、部屋に押し入ってきたのは。
「ほう……?」
それを白けた表情で迎えるドゥーサ。
そんな彼とは対照的に、少年たちの後方に控えるアグニスは――。
「てめぇ……! ただじゃ済まさねぇぞ……!!」
その強面に憤怒の感情を隠さず、浮かべていたのだった。
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