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一章プロローグ

初投稿です。

 何故戦うのか?何時だったかその理由を相棒に尋ねた事がある。


「戦う理由?そうねえ……最初に剣を持ったのはムカつく奴らをぶちのめす為だった。その後は自分がどのくらい強いのか試すのが楽しくなったから戦ってたわね。」


 では戦うこと自体が戦いの目的か、と重ねて問えば、


「しばらく前まではそうだったわね。でも今はそれだけじゃない。」


 それ以外の理由が出来たのか?とさらに聞けば、


「…ずっと一人で生きてきた。でも今は一人じゃない。こんな私にも大切だと思える人が出来た。いろいろ良くしてくれた人達もいる。世界をどうこうしようなんて思ったこと無いけどその人達は護りたい。その為に世界を護らなければならないなら、そうするしかないじゃない?」


 暴れる事しか考えていなかった君が変わったな、と言えば、


「変わったのはそっちもでしょ。いつの間にか自分の事を俺っていうようになったし…最初はまるで感情って物が感じられなかったのに今は違うわね。なんて言うか…人間臭くなったと言うか…ガラが悪くなったと言うか…」


 俺のガラが悪くなったのだとすればそれは間違いなく君の影響だな、と返す。


「違いないわね。」


と相棒は笑い、


「さて、そろそろ始めましょうか。」


 そう言ってすらりと鞘からおれを抜き放つと、散歩にでも行くかのような軽い足取りで歩き出した。


 その行く手に待ち受けるのは天を、地を埋め尽くす異形の業魔ごうまたち。黄色く濁った目が一斉にこちらに向けられる。正にこの世の地獄と言うべき状況。殺意と瘴気が渦を巻く。常人ならそれだけで死にかねないが相棒は全く気にしない。その足取りは徐々に加速してやがて全力疾走となり、おれを振りかぶり業魔たちに真正面から突撃する。


 いつ終わるとも知れぬ人間と業魔の戦争の只中。その日も俺と相棒の戦いは始まった。

 

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