表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編と長編小説もどき(歌)

パラライカ(気狂いの歌)

作者: 比我 境太郎

狂いました。嘘です。阿呆です。

ランプの明かりがチカチカ点滅しておりやす。しじゅうからがワーワーワー跳ねてちょる。パラライカ、パラライカ。たっとびますは頭帽子。ブランデー怠け者。フランス革命。ソビエト連邦。八丁堀。


単語。私語。八百長。パラライカ。ワクワクさん。お元気ですか。固有名詞やっと出た。これ禁止。続きましては、はべりける。長文作りたし、今日この頃。娼婦を買って裸体を書く。それモチーフに小説作る。男絵を書き出した。仕事の合間も書き出した。家に帰って書き出した。初め鉛筆後裸体。隅々目凝らすが秩父さに一転集中精根尽きた。


まかりける。阿呆が笑う。黄金色の鈴蘭が寂しいとちょうずりし、冷や汗吹き出し、真っ赤か。虐げられる殿様のお妃様。頂戴つかまつるは芥子坊主。あーかんべー、あーかんべー。


読み安く面白い。それでいて深く、味がある。奇抜であり、深みがある。



 とりあえず、産業小説。

 なんということでしょう。コッペパンがオムライスと喧嘩しています。下克上とはこの事か。日本中の視線が今この卓上に注がれています。ワッハハかんてんぱぱが仲裁に入り両者仲直りしました。


 とりあえず、六行小説

 節分かいな。父ちゃん豆いくつ食べればいいん?そうだな節子はドロップ食うとき。ドロップもう一個しかないんよ、どうすればいいん?節子、泣くな!おれがトウモロコシ取ってくるさかい。

 トウモロコシ、トウモロコシ、トウモロコシ♪

 良いか、節子、ドロップ一個とトウモロコシの粒五個ちゃんと食うんだぞ。後は、全部、父ちゃんに投げるんだぞ。



 とりあえず、従業小説

 あっついなー、もう。しゃぶしゃぶ何て好かんっていうてるやろ、キャベツ。文句言いなさんなワックス。ちゃいますねんはらみ。何がちゃう言うねん干し柿。静粛に、厳かに、不謹慎ですよ、私達食材の分際で意見言うのは、まだ早いんと違いますか?ジュージュージュー

 吹き零れてますよ、部長。失敬失敬、小出君。ちょっとな、声がしたもんだから。声、何のことですか、部長?いや、何でも無いんだ。

 えー、本社では此のようにしてですね、惑星間での情報リテラシーにあまねなく精通先んじるために、腹電話という物を開発致しまして、服通交信が可能となり、此を全面的に売り出していきたいと思ってる次第であります。ワッショイ、満腹中枢で可決しました。


 

 とりあえず、張り合えず、猫じゃらし、どぶねずみ、あっち向いてホイしよか。じゃあ、紫式部、清少納言、あっち向いてホイ。一寸法師、源氏物語の源氏の君、源の義経。次。あっち向いてホイしよか。

じゃあ、北関東甲信越地方のトラック運転手の源ちゃんの腕に巻かれている年代物の時計に反射して写る源ちゃんのサングラスに反射して写るルームミラーの中に写る良子。あっち向いてホイ。南関東甲信越のとあるネットカフェ住民、住所不定無職の敦の脛毛の先に着いた食べかすの敦行き付けのコンビニエンスストアのクリームパンの製造工場で働く、北原さんが覗く画面に写る信二とのツーショット写真を横目で羨ましそうに覗く山本さんの眼鏡に写る君。




 ほなら、ホラー書こか。恐怖。畏怖。おぞけ。恐れ、震え、身震い、てぶるい、さぶいぼ、鳥肌、戦慄、暗闇、隙間、暗がり、夜の学校、赤いランプ、理科室の模型、人形、ヒソヒソ声、カタ…コト、外人、宇宙人、白い服、提灯、神社、祭りの後、静かに帰る帰り道、彼氏と別れて1人寂しく、胸には思い出、夏祭り、花火綺麗だったなー、来年もまた来ようね、そういった貴史の横顔を思い出し、幸せな気分に浸って由美子は、田舎の田んぼ道を歩いていた。

 シーン、シーン、シーン夏の静な夜の音がしていた。

トントントン、っと誰かに急に肩を叩かれた由美子は、一瞬ドキリとしたが、もしかして貴史かもと胸が躍り、振り替えると全く知らない男が立っていた。

 『えっ』暗い薄明かりの中、男の顔ははっきりと見えず、服装も黒っぽい服装で、白い顔だけぼんやり浮かんでいた。

 『後ろ見て』男が、小さい声ではっきりとそう言った。

 『えっ』急に話し掛けて来た男の言動に恐怖を感じながら、恐る恐る由美子は振り替えると、其処には回転椅子があった。赤い回転椅子が田んぼと神社に続く階段に挟まれた道にあった。

 先ほど、由美子はふと神社に続く階段を登りたい気分に為っていた。

 先ほど、由美子は田んぼに張られた水の中で、カエルが急に声を掛けてくる予感がしていた。


 しかし、回転椅子が其処にあった。赤い回転椅子が。

 『えっ、何これ?』薄気味悪いというように声が震えた。

振り替えると、男の姿は、もう無かった。

 『えっ』

ピッチ上げよ、超特急、レッツらゴー。ゴーカートじゃ物足りん。やっぱり時はジェットコースターぜよ。いざ参らん。助太刀無用でごさいやす。でしゃばりは黙って頂戴。幽霊しかと見たか。見えぬなら、神通力つこうて見よ。お化け~や、お化け~や、お化け~や。


 赤い回転椅子。まじまじ由美子見る。座って見たくなる。由美子その赤いビロードの上に座ろうとするやいなや、目の前にカエル一匹躍り出る。『千をだせ、千を出せ』『千、何のこと、お金』『千は千だ、出さないと食べちゃうぞ』『坊は黙ってて』『良いから千を出せ』『分かったわよ、千円ね、特別よ』『千じゃない』『はっ、生意気ね』由美子はカエルを踏んづけた。おぎゃーおぎゃーおぎゃー、

『大変、赤ん坊が泣いているわ』由美子は、神社へ続く階段をかけあがり、階段の中程に居た赤ん坊を抱き抱えた。赤ん坊は泣き止まなかった。『ごめんね、まだ私、子供なの』由美子は悲しそうにそう言った。

 『そうだ!』由美子は、赤い回転椅子の元まで赤ん坊を抱き抱えて戻った。『此処に置いて行けば、きっと誰かが助けてくれる』

そう言って由美子は、何故か自分が赤い回転椅子に座った。


 ぐるぐると目が回った。色が回っていた。様々な色が。貴史と見た花火を思い出していた。あんな風に、鮮やかに色が回っていた。

 『いらっしゃいませー!』威勢の良い声に由美子は眼を醒ました。

由美子は、回転椅子に来ていた。赤ん坊を抱えて。但し、回っていたのは、由美子達だった。

 

 『活きの良いネタ頼むよ、大将』海老が言った。

 『じゃあ、スピード出世で課長に為った若造何てどうよ?』大将の米が言った。

 『良いね、其れ握ってよ』海老がしたり顔で言った。

 『あれー、間違って部長取っちゃったよ』つぶ貝が言った

 『食え食え、部長だって上手いだろ』ホタテが言った。 

 どんじゃらこー、どんじゃらこー、どんじゃらこー。

 店内には、活きの良い歌が流れ、裸の人間が至る所で踊っている。

魚達は、その透明な天井のアクリル板の上で踊る人間達をギョロギョロと見つめている。店の中央は、天地突き抜けに為っており、ジェットコースターに乗った人間達が阿鼻叫喚の叫び声を揚げている。

 

 由美子と赤ん坊も其処にいた。

由美子は、赤ん坊に子守り唄を歌っていた。


 まぁーてや、まぁーてや、父母の、やまの河の仏から、どっこいしょーのよいよい♪淋しかろうが寂しかろう♪楽しかろうが寂しかろう♪ラップ。ばっとまっと、ぞっときっとまぁなんだ、歯がゆいとき、はくいしばって踏ん張って、張らんでも絡んでも、てめぇの人生往生せい。気ぃ狂うことの難しさ、教えてくれたのはあなたー♪

 地平線は、地平線で、宇宙船には乗れないんだね♪

 水平線を泳ぐあなたに憧れたあの頃の私はどこいったのヨ♪

 かくかく然々、言い訳それで言い訳、何て在り来たりでしょ。

 あなたなら、ポップコーン頬張って、とんがりコーンだって食べれるって信じて、また明日っていう前に一昨日のテレビ欄を検索してね♪

 由美子は泣きながら、とても優しい声で、気持ちで赤ん坊をあやしていた。赤ん坊の小さい手が由美子の指を掴んでいた。

 今、心の底から優しさが溢れてきていた。


 泣かないでもう少し、笑っていさっせてよ♪僕らは天才じゃない、凡人にすらなり得ない何て、事に気付かせてくれたのは、あなたー♪

 オオカミにだって、愛をー♪陳腐な鼻をへし折って、薄ら笑いを冷めたマナコで消し去って低俗な愚者を目覚めさせる唄をこいてくれ。

 夢ならば覚めないで、愛はもう冷えきって、只エゴが自意識が猛り来るって、張っているこんな僕はきっと弱虫何だね、只、誰かの良いところを掠め取る泥棒で、何一つほんとは産み出しちゃいないのさ、


 愛。由美子は全身全霊で、自分が食される間際に愛を感じた。

今まで、出会ってきた人達の顔が浮かんだ。忘れていた人達の顔も。

両親、兄弟、友人、先生、初恋の人、喧嘩別れした人、怖かった人、優しかったひと。


 愛。ないないない、私にない♪ダメダメダメ、それじゃだめ♪

愛を感じるとき何て無かった。そんなもんだろう、もしあっても其れを今も感じる事が出来るんであればもっと平和だよね。


 恋。歌。村八分、ムラハチブ、オイラはムラハチブのハチマキさん。悲しいとき、オイラが屁をこいたのに誰も気付かないとき。

 


  


   由美子は、手のひらの中の赤ん坊を慈しむように食した。

 

  

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 楽しそうですね [一言] 作者さんは苦労して書いてると思いますが、私は楽しそうに見えます。あなたは読者を楽しませることに成功したのです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ