表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

枕の下に 希望の上に(10)

天計ダイヤグラム

足を踏み入れた森林公園は

細やかな鳥歌に

しっとりとした日光を

届けていた

紙のページをめくる風を

顔の横に感じて

手を動かしながら

文字を追った



レジャーシートに座って

流れる時間を捧げる

何回も読んだ本は

風のリズムと

同じスピードで

番号を数える

目から入るというより

頭の中で開かれて行く

知らないから

読むのでは無い

読みたいから

読み入るのだ



曇り空に変わり

日光のスタンドライトは

明るさを弱くする

冷たい空気が

鼻から入ると

雨が降るのだと分かった

残り数ページで

読むのをやめて

レジャーシートを畳み

その場所を後にする

誰かに言われたとしたら

森に言われたのだ

雨が降ると



辿り着いた車に乗れば

フロントガラスに

雨粒音が

プロローグのように

落ち始めた

海月になって広がり

水槽の中へと

誘われている

エンジンをかけて

ワイパーで拭きながら

駐車場を抜け出て行く

頭上の音は

跳ね上がりながら

雨粒の大きさを伝える

いつまで降り続くか分からない

クライマックスのシーンは

終わるのだろうが

それを決めるのは

僕では無いのだ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ