とある夏休みの日常
文才無いけど頑張ります(三回目)
「あっついのぉ~…」
ジリジリと蝉の鳴く夏の昼下がり
とある山の、とある小さな家に、その声の主はいた
見た目は小学生。しかし幼い見た目のなかに微かに妖艷な雰囲気がある目鼻立ちの整った女の子
もっとも、暑さにやられて、その整った顔は盛大に崩れていたが…
「篝、だらしないよ」
短い浴衣を盛大に着崩し、だらしない顔をした女の子を、その部屋にいたもう一人の男の子が注意した
「お天道様が暑いのが悪いのじゃ…。折角涼しいところに庵を作って、夏の間の避暑地としておるのに…」
「暑いのは分かったから、せめて足閉じて」
「見たかったら見ればよかろ~…わっちはそれどころではないわ~…」
「はぁ…アイス買って来てあげるから」
「アイスか!」
とたんに目を輝かせ、黄色のふさふさした尻尾を振る女の子
何時もより大きく左右に振れるそれを思いっきりもふもふしたい衝動に駆られる少年。…もっとも、この暑さの中やりたいとは流石に思わなかったようだが…
「わっち!わっちアレがいい!ぎゃりぎゃり君!」
「ソーダ味ね。好きだよね、篝」
「あのしゃりっとした感触がたまらんのじゃ!早く買ってきてたも!」
「はいはい…」
そう言って、財布を確認する少年
いくら小学生と言えど、たかが70円程の駄菓子を買うくらいはわけなかった
庵を出て、山の中を歩く
そうして、一月前の出来事を思い出すのだった






