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プロローグ 「始まり」
なんだ...ここは...
暗闇、真っ暗、黒、何も見えない。
俺の視覚は無くなったのかさえ分からない程の黒。
なにがあったのかよく覚えていない。
確か、あれはカレーを食いに誘われた時だったはずだが―
「もしもし」
「おぉーマイフレンドよ。×××今暇か?」
「お前の相手で忙しい。じゃあな。」
こいつは高校の友達の...あれ、思い出せない。
この会話をしたはずなんだか、名前が思い出せない。
何故思い出せないんだ。それも分からない。
とにかく、こいつに電話で呼び出され、カレーを食いに行く事になったんだか、そこから先が思い出せない。
俺は拉致されたのか、それさえも分からないまま、答えの出ないまま、この黒くて暗い暗闇で死んでいくのか怖くなった。