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みずたまり

作者: 山兎

『みずたまり』



するりと 雫が落ちていく

こころのなかの ふかいとこ


するりと 雫が落ちていく

こころのなかの くらいとこ



溜まった雫は どこに行く

こころのなかの はれたさき


溜まった雫は どこに行く

こころのそとの はれたさき



みずたまりは どこ

みずたまりは どこ



正体のわからない怪物が

ふやけて とろけて ふっと 浮かんで

空へと 飛んでいけるのかしら



ああ 大声で 泣いてしまいたい

ああ 大声で 叫んでしまいたい


瞳が渇いて 声も枯れて

それでも 泣いて 叫んでしまいたい


雫が剥がれて 痛くとも

雫がどこに 行こうとも


泣いて 叫んで 泣いて 泣いて

そうした先を

信じているから

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