ライバル!?
午後の営業の始まりです。
午後からは医者の時間。
先生は薬師でもあり、医者でもあるのです
「サラサ、今日はお客さんが少ないといいな」
サラサの頭をくしゃくしゃと撫で笑顔を向ける
「ですにゃ〜…」
撫でられ気持ちよさそうに笑みを浮かべる
サラサは先生とのこの時間が大好きだ
しかし…この、のどかな時間を破るのが大好きな輩もいる
「せぇ〜んせっ」
突然先生の背後に現れ甘えるように抱きついたのは
サキュバス
胸元を大きく開け男を誘惑するような香水の香りを漂わせ艶やかな笑みを浮かべて先生へと纏わりつく
先生は特に気にした様子もなくサキュバスを自分から離し椅子へと座らせる
「今日はどうしました?」
優しい笑みを浮かべサキュバスの手を取る
「もぅ…先生ぇ?いい加減私のものになってくださいませ」
ふふふ…と妖しい笑みを浮かべ唇が触れるギリギリまで顔を近づける
唇が触れようとする直前で先生の手が割り込む
「残念ですが…私はもうサラサのものですからねぇ」
サキュバスとのやり取りを見て不貞腐れていたサラサを抱きあげれば彼女のミミへと口付ける
「…にゃっ…」
突然の事に顔を真っ赤にしバッとミミを両手で隠す
そんなサラサにクスクスと笑みを浮かべよしよしと頭を撫でる
「もうっ!こんな小娘の何処がいいのよぉ…」
2人のやり取りに呆れた様子のサキュバスは
「見てらんなぁい」
と姿を消した
「先生ぇ…からかわないで下さいにゃぁ…」
サキュバスが消えた後恨めしそうに下から見上げる
「からかってなどいないのだがな…」
下から見上げるライラの瞼に優しく口づけを落とす
「私はお前が一番だよ、サラサ」
「せん…せ…」
先生の瞳に吸い込まれるように見つめ合っていれば
「ゴホンッ」
咳払いが聞こえ2人して驚き顔を上げる
「仲良きことは良いのだがな、ワシの診察も頼みたいものだ」
ドワーフの長老であるジャンオが立っていた
「ふっ…ふにゃぁぁぁぁぁっ!!」
見られていたことに驚きと恥ずかしさからサラサは飛び跳ね店から駆け出していく
「意地悪ですねぇ、ドワーフの…」
「意地悪はどっちじゃ、この吸血鬼が」