プロローグ
凍てつくような寒さの中、なんとなくいつもと違う喧騒を感じる、大晦日の夜。
僕はマンションの屋上で、1人その時を待っていた。
「…あと4分、か……」
ーもう年は越さない・・・
そう決めたのは、今年の夏休みの事だった。
受験の事、部活の事、家族の事、友達の事……
もう、全てにウンザリだった。
ここから見下ろせる町は、僕にとって宝物であり、同時に監獄だった。
暖かかったはずの周囲の目には、いつの間にか嫉妬と憎悪が影を落とし、所詮変わり者の僕の居場所なんて、もう何処にも無かった。
「…らしくないかな。感傷に浸るなんて………」
湧き出す思いを飲み込んで、港の方へと視線を向ける。
毎年何故か年越し1分前に打ち上げられる、四尺玉の冬花火。
これだけはどうしても、最期に見ておきたかった。
記憶の締めくくりくらい、綺麗だって良いじゃないか。
「…4、3、2………」
……ドドーン!!
今年も綺麗に咲いたな。
さて、僕も………。
一呼吸し、僕はフェンスに手を掛け………
「きっ……綺麗だったね、花火………?」
「……え?」
なんでもない(ように必死で装っている)顔で隣に立っていたのは、恐ろしいほどに端正な顔立ちの、色白の少女だった。
「…あっ……あのね……?」
「…………」
「えーっと……さみしそうに…してたから……どう…したの………?」
僕はイライラしていた。僕はここから飛び降りるんだ。
ここで止められてたまるもんか。
「…僕はやることがあるんだ。ここから居なくなってもらえるかな」
「キャッ!……ご…ごめんなさい!別にあなたを怒らせるつもりなんかじゃなくて……その……」
「そもそも、君は誰なんだい?」
彼女はしばらくうつむいて……
「あっ………悪魔………です…」
「………は?」
「だから……悪魔……なんです……」
「ふざけないでもらえr
ごーーーん………ごーーーん…………
「あああああああああああああああああ!!!!!!!」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいーーーー!!!」
この出会いが、いずれ世界を変えることになることは、まだ誰も知らなかった。
はじめまして、T/I-ran.Gです。Gさんと呼んでください。
初投稿で至らない点もあるかとは思いますが、どうぞしばらくお付き合い下さいm(_ _)m