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表裏  作者: 秋空
2/2

2の表裏

 俺は秋が好きだ。名字に入ってるからとかではなく、単に好きだ。

「平凡で平和が最高」

 窓際の席に座る少年は窓の外に広がる空を、独り言を言いながら眺める。

「そうだな平和なのは最高だよね。秋空」

 教科書片手に近づいた男が秋空の頭を、その教科書で叩く。

「まったく。平凡なのはいいが、授業は集中してくれないと困るぞ」

 その発言が終るのを見計らっていたかのように、授業の終わりを告げるチャイムが校内中に響き渡る。






「おい、愁。まったくのナイスなタイミングで怒られたな!」

 そう言いながら短い髪をツンツンに立てた小柄な男がニヤニヤしながら愁の席の近くによる。

「故意じゃないよ」

 そう弁解する愁は頭をぽりぽりかく。どうやら癖のようだ。

「故意じゃない所が皆の笑いを誘うんだよ。ところでさ、今日暇?」

「いや、今日は真っ直ぐ帰るよ。体育で身体動かしすぎて疲れたよ」

 愁はそう言いながら首の骨をポキポキ鳴らす。運動神経の抜群に良い愁は体育の時などよく活躍する。今日はサッカーだったのだが、50分間活躍していた。

「ちぇっ、何でも軽くやってのけるから、俺の活躍の場がねぇじゃねぇか」

「悪態つくなよ。海士だって活躍してたじゃないか」

「1番じゃなきゃ女にはモテねぇよ」

 そう吐き捨てると鞄を持ち直しドアの方に歩き、そのまま帰ってしまった。

誰もいなくなった教室でぼんやり空に目をやると、既に蒼い空ではなくなっていた。







 愁は自分の鞄をもって1人教室を出た。

外では運動部が声を出しながら各々の部活の練習に励んでいた。

 何事にも熱くなれず、運動でも勉強でも特に努力をしなくても凡人以上。故に愁は少しこの世界に飽きていた。

なので部活にも入らず、彼女も作らないで毎日をダラダラ過している。

(今日は家に帰ったら速攻で寝よう)

 身体の疲労を感じていた愁は足早に白石高校を後にしていた。







 愁の家は学校に近く、徒歩5分だ。愁の部屋は2階にあるので、窓から校舎が見えるくらいだ。

(今日もつまらなかった)

 鞄を置いて窓から学校を見つめる。今日も何も無い、つまらない日常だった。

 愁は学校を見ているのにも飽きて、ベットに倒れ込みそのまま寝てしまった。

PM5:30 愁 就寝




PM7:24 愁 起床





       PM7:25 アーク 転移完了

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