第六話 始まり
ヴァルグラン帝国より遥か彼方北にある国
ヨーロマン王国 宮殿王の間
そこにアレンはいた
「ただいまヴァルグラン帝国より帰還いたしました。国王陛下」
「アレンかよくぞ戻ってきたな、してさっそくで悪いが情報を頼む」
「はっ、私が潜入でした闇の騎士団ですがボスであるガイ、幹部エラン以外はほぼ全員が殲滅されたかと思われます」
「殲滅だと、何があった。それと闇の騎士団にはもう一人深淵の魔女サラ・メギドナがいたはずだ」
「説明させて頂きます。深淵の魔女はガイと契約を結んでいたらしく今回の件で契約解除となり、ガイと敵対関係になり高位殲滅魔法紅蓮の円柱を繰り出したのだと思います」
「契約内容としては探し人が見つかるまでの間力を貸すとの契約でした。そして今回の一件に巻き込まれた、グライ・サンダルフォンが深淵の魔女の探し人だったようです。そしてグライ・サンダルフォンが私を助ける為に深淵の魔女に頼み高位殲滅魔法を発動させました。これが今回の一件でございます」
「グライ・サンダルフォン初めて聞く名だ」
「情報を調べたところサンダルフォン家の貴族の長男として生まれた平凡な人物です。ここまでが関係各種で調べられる情報となっていますが、どうやらそれは嘘の情報を掴まされていました。実はグライ・サンダルフォンは実力を偽っていたようです」
「ほう、アレン貴様と対決すると勝敗はどちらだ」
「私の専門分野は諜報です、ですが今現在の彼であれば私が勝ちます」
「今現在だと」
「はっ、彼はまだ成長途中です。まだまだ伸び代があると思われます」
「ふっ、お前にそこまで言わせるとは相当な奴よのう、そのグライ・サンダルフォンとは」
「はい。では以上で今回の任務報告を終了いたします」
「よい、下がれ」
アレンは一瞥し王の間を出た
扉が閉まったことを確認し後大きなため息を吐いた
「やっぱり王に会うのは緊張するな」
「あれ?その姿、お前アレンか!」
独り言を呟いていると遠くから元気な声が聞こえた
アレンは声の主を知っている
ヨーロマン王国最強の騎士
バルザード・ギンザリンだ
元平民でありながら戦の戦果のみでこの国の王の次に偉い地位を手に入れた男
身長が2mを超えるほどの身長で肉体は筋骨隆々
片目には眼帯をつけており背中には大きなバトルアックスを背負っている
「バルさん久しぶりですね」
「久しぶりだなアレン!」
この人はとにかくうるさい
ムードメーカー的な存在だ
あっ、ツバ飛んできた
「ひとまず今回の諜報任務は終了いたしました」
「強い奴はいたか?」
「そうですねやはり、幹部エランに深淵の魔女サラ・メギドナそして闇の騎士団のボスガイこの三人が圧倒的でしたね」
「そうか!、先ほど言ったガイという奴そいつは俺どっちが強いとお前は思う?」
「・・・ガイの方が強いと思います。ただ幹部のエランあいつには勝てると思います。何も力を隠していなかったら」
「ほう、俺の方が弱いか。それに加え幹部のアランのことも少し疑っているようだな」
「そうですね、確証はないですがエランにはまだ隠している力があると思います。それに俺が実際に魔法を使ってる人物を見たのは元幹部サラだけでしたので」
「元幹部?」
「その反応だとまだ詳しい報告書は届いていないようですね」
「そうだ!」
うるさい
「深淵の魔女は元々奴らの味方ではなかったそうです」
「ほう」
俺はそこから国王に説明したを同じように話した
「グライ・サンダルフォンか、知らんな」
「俺も今回の任務で初めて出会いました。ポテンシャルは高いと思います」
「お前がそこまで言うとはな、グライ・サンダルフォンとやらは相当面白そうだな」
「国王陛下にも似たようなことを言われました」
「そうか、情報をありがとう!また後で詳しく報告書を拝見しよう。」
「はい」
「では俺はこれで失礼する、国王陛下と話があるからな」
「かしこまりました、失礼します」
こうして今回の一件についての報告を終了した
疲れたと一言つぶやく
元々諜報活動は苦手だが俺以外の適任がいないなど言われしょうがなく諜報部員として活動し始めたが毎回毎回殺されそうで怖い
今回は特に怖かった
ガイあいつはやばすぎた
あいつだけは強さの桁が違った
シンプル絶対に歯が立たないと思った
だが、そんな状況でも生還できた
これは奇跡だ
しかし初めて深淵の魔女の魔法を見たがすごかった
あんな高位殲滅魔法”紅蓮”を初めて見た
しかもあれは最小限に抑えられている状態の魔法だった
もしリミッターを外して魔法を放った場合を考えると寒気が止まらない
にしてもあいつら元気にしてるかな
遥か彼方ヴァルグラン帝国の方を向き友人の顔を思い浮かべた
誤字脱字等があれば感想欄に書いていただけると幸いです。




