第五話 強者
敵アジトの中を二人で走っていた
「次の十字路をまっすぐ!その先に四人いるから注意」
「了解」
アレンが言った通り四人いた
連中は驚いているようだ
こいつらは雑魚だ
すぐさま戦闘不能にさせ目的の場所に向かう
「にしても面倒だな。あいつがいる場所は分かるけど道中がけっこういるんだよな~」
「雑魚は俺に任せろ」
「ああ任せた、因みに次の右な」
「了解」
その後道中に雑魚が大量発生したがぶちのめした
そしてとうとう目的の場所に着いた
扉を開けると中は暗闇だったが一人照らされている者がいた奴だ
「ようや来たか小僧それともう一人もか」
二人して息をのむ
「そう緊張するな、ここまでやって来れたことが凄いことだ誉めてやろう」
「お前なんかに褒められたもうれしくない」
「そうだな。そういえば俺の名を名乗っていなかったな、俺の名はエラン・グリモアだ」
「おいおい嘘だろ強いとは思っていたがグリモアっていえば隣国ディンセンブルの最強家系だ」
「ほうよく知ってるな。俺は実際ディンセンブル国の元第一騎士団騎士団長だ」
「まじかよ」
「おもしれぇ最初に見たときから強いとはわかっていたが予想以上に強そうだ」
「その笑み分かるぞ強い奴に会えば面白くなるよな俺もだ」
「最初から全力でやらさせてもらう」
俺は邪魔な前髪をかき上げこう言う
「こっからは全力解放だ!!」
「先程までより魔力が数倍跳ねあがっている、面白い」
「話はここまでだ」
「ああ」
お互いに剣を構える
「こっから先は剣で語り合おう」
「ここから先は剣で語り合うとするか」
その言葉が合図となりお互いが剣を振り下ろす
剣が重なり合う寸前俺の剣は弾かれた
弾かれたことにより隙が生まれるエランはそれを見逃さない
すぐさま俺の懐に入り込むここから何をしようとも間に合わない
だから俺は全身に氷の防壁を纏う
威力を半減させるためだ
だが急ごしらえの魔法など奴には通用しない
俺はあっけなく氷の防壁を突破され重い一撃を喰らう
勢いよく壁にぶつかり意識が朦朧とする
「良い判断に良い動き、だがまだまだ」
「ぐはっ!、強すぎんだろ」
口の中から血を吐きだす
今の一撃で体に力が入らない
動かない
しかしこのまま負けっぱなしというのは性に合わねぇ!
「よく立ち上がった、だが今のままじゃこいつにも劣るぞ」
後ろにでも眼がついてるのかアレンの背後からの攻撃は防がれた
「ちっ、ばれてたか」
「ふ、俺には第六感があるからな」
「反則だろ」
「よく言われる、そんなことよりも続きをやろうかアレン・スカルプ」
「ちっ、俺の名前知ってたか」
「ああここにいいる連中は情報集めを得意としている奴らが多くてな、お前がスパイだってことはとっくの前に知っていた。なんならわざと俺に捕まったこともな。ここ最近やけに部下が減っている理由もお前だろ」
「そこまで知ってるにも関わらず俺を泳がせていたのか」
「自分の手のひらで動く人形ほど面白いものはないだろう」
「終わってるな」
「よく言われる」
エランが剣を構える
俺はまだ動けない
その代わりにアレン剣を構える
一瞬の静寂の後互いの姿が消える
現れたと思ったら剣が重なり合っている
また消えるその繰り返し
高速戦闘とでもいうのか今の俺では全く見えない
だが見える可能性があるスキルを俺は持っている
最近使っていなかったスキル〈魔眼〉
相手の魔力量が正確に分かるスキルなのだがこのスキル純粋に目も良くなるのだ
実際今となっては高速戦闘がはっきり見える
これなら何とかエランの動きに対応はできる
だがまずはこの身体だ
力が入らない
魔力は練れる
魔法でこの身体をどうにかできないか
・・・そういえば昔親父が何か言っていたような
『グライ魔法は凄いんだぞ!どれだけ手や足が千切れようとも魔法を使えば元通りになるんだ。まあ死んだら意味はないがな。因みに魔法剣士でも才能がある者は魔法を使って千切れた身体を元に治すことは可能だ、俺は剣一本で魔法は苦手でできなかったがお前なら出来るお前は力を隠しているようだが俺には分かる、レミが才能の塊でお前は隠れがちだがお前も才能の塊だと俺は思っているぞ!』
そうか俺にもできるのか親父
初めて使う魔法
やり方など分からない
だがここでやらなきゃ意味がねぇ
魔力を練って癒すイメージ
昔レミが言っていた魔法はイメージが大事だって
「そろそろしんどくなってきたころか?」
「少し、っな!」
「よく粘った方だがここまでだな」
「くっ」
高速の斬撃がアレンを襲うアレンは防ぐだけで精一杯だ
少しずつだがアレンが押されていく
最後にアレンの剣が弾かれ大きな一撃を喰らうはずだった
だがそうはさせない
「やっと来たか」
「すまん遅くなった」
「来たか」
エランの一撃からアレンを守り少し下がる
「よく動けるようになったな」
「まあなちょっと昔を思い出してな回復魔法を覚えた」
「まじか面白れぇなお前」
「戦いの中で成長する俺もお面白いと思うぞ」
「話に入ってくんな」
「絶対絶命のはずなのにそれを感じさせない、お前らは生きていたら大物になっていたはずなのにな」
「勝手に殺すな」
「そうだそうだ」
「そうだな、だがここからどうするたとえお前ら二人で来ようが勝てないぞ今の力では」
「そうだな。正直あんたの強さにはびっくりだよまじで、しかもあんたはまだ魔法を使っていないってことはここから更に強くなるってっことだろ」
「ああ」
「うえ~」
「突然だが俺たちの組織が何を目的か知っているか?」
「まじで突然だな、たしか闇の王だとか何とかを復活させるとかなんとか」
「ああそうだ、じゃあその闇の王はどうやって復活させると思う」
「知らん」
「だろうな、じゃあ教えてやろう」
「この世界にはかつて光の王と闇の王が存在した、最初はお互い上手くやっていたようだがとある日事件が起きた」
「事件?」
「ああ内容は分からないが何かが原因で殺し合いになり勝敗は相打ち。ここまでがみんなが知っているおとぎ話にもなっている話だ」
「だが物語には続きがあった。光の王と闇の王には八つずつ才能があったらしいのだが少し前まあ俺たちのボスが生まれた頃からかとある能力者が出現し始めた」
「とある能力者とは何か、闇の王の才能を一つだけ受け継いだ者だ。俺たちはそういった者達を”発言者”と呼んでいる」
「闇の王の”発言者”がいるように光の王の”発言者”も当然いる。そして今現在確認されている”発言者”の一人がアレン・スカルプだ」
「そこまでばれてんのかよ」
「俺たちの諜報技術は高いからな」
「まてアレンのことは驚きだが闇の王の復活についてはどうなんだ」
「そこはまだだったな闇の王の復活正直俺も半信半疑なんだが八人の”発言者”が集まるとなんかして復活するらしい」
「そこは適当かよ」
「まあな。それよりもだアレン・スカルプお前が光の”発言者”以上お前だけは何があっても殺す」
「くっ!」
ぎりぎり反応できた
今までより数倍早い動きで俺ではなくアレンを殺しにかかる
アレンに向いた一瞬の殺意に気づき現在アレンを守っている
「アレン今すぐ逃げろ!」
「むっ、無理だ」
アレンが震え始める
アレンはエランにびびっているのかと俺は思った
さっきの攻撃も本来であればアレンは反応できたであろう
だが反応しなかっただからびびっているのだろうと
冷や汗をかいて震えている
「無理じゃない!俺がこいつを少しでも止めるだから早く逃げろ!」
「無理だ、無理なんだよ」
「なんでだよ、お前そんな奴じゃなかっただろ!」
「違う、そいつじゃない」
エランが何処かを振り向く
俺は気づかない
いやただ気づいていなかったこの強大なプレッシャーに
このプレッシャーに気づいたとき全身の力が抜けた
静寂の中に聞こえる足音
何者かが近づくたびに圧がプレッシャーが重くなる
何とか立っている状態だ
足音が近づいて来た
現れたのは二人赤いドレスを着た女性ともう一人は黒い服を纏った男だった
この二人エランよりも強い直感で分かった
身体が恐怖で動かない人生でこんな体験は初めてだ
「見つけた」
たった一言女性が言うと俺に抱き着いた
「なっ!」
「そうか何かウキウキで行くとは思っていたがまさかそいつがお前の探し求めていた人物か」
「うん」
「・・・なんのことだ?」
「私はねガイと契約を結んでいたの。ガイの目的は私の力を借りること、あおして私の目的は探し人が見つかるまでの間力を貸すこと。そして今回私の探し人は見つかったこれにより契約は終了したってわけよ」
「そうだったのか」
「うんバイバ~イ。てことで今日からよろしくね」
そういって俺に微笑む
だが俺はプレッシャーに耐えるだけで精一杯だ
「そういえば私君に聞きたいことがあるんだけどその顔しんどそうだね。う~ん、あっ!」
少し悩んだそぶりを見せて何かひらめいたようだ
「私の魔法で少しだけ楽になるおまじないをしてあげるね!」
そう言うと俺に何か魔法を発動したのか身体が楽になった俺は先ほどの問いに答える
「聞きたいことってなんだ」
「君は友達をどうしたい?」
「サラ何を考えているそいつは処分するぞ」
「ガイあなたは黙って私は君に聞いているの。君は友達をどうしたい?」
「助けたい、たとえ短い時間であってもあいつは俺とは協力した仲だ、だから助けたい!」
「分かった、じゃあ助けるね」
「ちっ、契約が終了してから敵になるまでが速すぎんだろ」
「ガイも知ってるはずでしょ、私が自由な人間だってことは」
「そうだな、だがそいつは渡さないここで殺す。エランお前も協力しろ」
「了解」
「だめよ。私の求め人があの子を助けたいと言っているそれだけで私の決心はついているは。『魔法発動 紅蓮の円柱』」
紅蓮の円柱が俺たちの周りを包み込む
この紅蓮の炎は見方にはダメージは無く敵にだけダメージがあるようだ
「ちっ、今回は見逃してやるが次はないぞ。エラン撤退だ」
「撤退は分かるが部下はどうする」
「無理だ、この魔法にあいつらは耐えれない。見捨てる」
「分かったよ」
「じゃあね~」
こうして脅威は去った
だが俺には大きな課題を残す形となった
「強かったでしょ、あいつら」
「ああ」
「何もできなかったでしょ」
「ああ」
「悔しいでしょ」
「あ、ああ」
悔しい
悔しくて涙が流れる
「その悔しい気持ちがあったら強くなれるよ」
「もちろん君もね」
「ああ」
「さ~てとこのあたりは私の魔法で消し炭になっちゃったわけだしとりあえずは自分たちの居場所にひとまず帰ろうか」
「ああ」
「賛成」
こうして俺たちは解散するのだが
一人俺についてくるものがいた
「ふんふ~ん」
「帰り道はこっちなのか?」
「知らない私の帰り道は君と一緒だから」
「その君っていうのはやめてくれ」
「じゃあ名前をしえてよ」
「グライ、グライ・サンダルフォンだ」
「分かった。グライね、私はサラ・メギドナよ」
「よろしく」
「よろしく!さっそく君のお家に行こう!」
そして物語は第二章に入る
誤字脱字等があれば感想欄に書いていただけると幸いです




