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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第3-1章「交錯する運命・序章」

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第59話「危険な校舎内」

視点は変わり、田中勇気と佐藤花――奇妙な組み合わせのグループが、1階にある「口論室」を捜索しているところだった。


廊下の照明は一部切れており、天井の蛍光灯がジジジ……と不気味な音を立てながら点滅していた。

古びた教室の扉を開けると、埃の臭いとともに、ひんやりとした空気が2人を包む。


口論室――名前の通り、学校内でのトラブル処理や、いわゆる“生徒指導”に使われていた部屋。

壁には「話し合いのルール」や「生徒憲章」などが貼られており、机と椅子が中央にいくつも並べられていた。


そんな中、田中が何かを見つけた。


「なぁ……『花』だったっけ?」


その呼びかけに、佐藤はピクリと眉を跳ね上げた。


「下の名前で呼ぶんじゃねぇーー……で、なに?」


田中は、少しバツが悪そうに、手に持っていた紙切れを掲げる。


「小さな紙切れを見つけたんだよ。紙には、『2103』って書いてあるぞ。」


佐藤はそれを見るなり、即答した。


「そうなんだ……多分だけど、そこにあるダイヤル式の金庫に入力すればいいんじゃない?」


その言葉に田中は目を丸くし、少し照れながら頷いた。


「わ、わかった……教えてくれて、ありがとな。」


佐藤はふっと微笑んだ。

(……あれ、可愛いとこあるじゃん、この子。)


田中は、部屋の隅にあった金庫の前に膝をついた。

重厚な金属製のダイヤル式金庫。鍵穴は無く、4桁のダイヤルを回す方式。


田中は紙に書かれていた通り、「2103」と入力した。


「ガチャンッ」


重たい音を立てて、金庫が開いた。


「うおっ……マジで開いた。」


中には――

新品のショットガンと、数発分の弾薬が収められていた。


「うわぁ! このショットガン、なんかまだ新品だね!!」


突然背後から声がして、田中は驚いて振り向いた。


「な、なんでわかるんだよ!?」


佐藤は胸を張って答える。


「当然でしょ!? 私はあなたと違って、“アニメ”を見てるからね。」


「まさか……花……『アニメオタク』だったのか!?www」


「わ、笑うな! 笑うなってば!!」


「だって、だって……特大ブーメランが帰ってきたかのような感じがしたから。」


「うっ……(。>﹏<。)!!!」


顔を真っ赤にしてぷいっと横を向く佐藤。

一触即発の雰囲気だった2人の距離が、ほんの少しだけ、縮まった気がした。



---


視点は変わり、井上翔と髙橋玲奈のペア。


2人は「資料室」を捜索していた。

この部屋は、旧年度の記録や行事の記録が保管されている場所で、古びた棚とファイルが乱雑に並んでいる。


「翔君。なにか手がかりはあった?」


玲奈が声をかける。


「いや……特に何もないなぁー。」


「えっ?……ホントに? なんか怪しい。」


「ホントだよ。」


その時だった。


「キイィィィィィ!!!!」


資料室の扉が、鋭い音を立てて開いた。


「ん? なんか音しない?」


「開ける音……もしかして……!!」


2人が扉の方を向いたその瞬間。


そこには――**巨大なゴキブリ型の生物「C-97」**が立っていた。


「キャあああああああああぁぁぁぁ!!!!」


「ご……ゴキブリだーーーーー!!!!!」


玲奈は悲鳴を上げ、翔も腰を抜かしそうになる。


「C-97」は過去に戦った「C-257」と同様、改造された生物兵器である。

ゴキブリのような多脚構造と巨大な顎、そして異常な反射速度と跳躍力を持つ。


2人は必死に逃げようとするが、「C-97」は音もなく迫ってきた。


その時だった。


「翔!!玲奈!! 大丈夫か!!」


部屋の奥から、田中と佐藤が飛び込んできた。


「悲鳴が聞こえたから来たけど……な、なにこの化け物!!?」


「こいつ……っ!!」


田中は迷わず、手にしたショットガンを構える。


一発、二発。


「ドンッ!! ドンッ!!」


炸裂音とともに、「C-97」の体が大きく弾け、謎の黒い体液が飛び散った。

化け物は動きを止め、ついには床に崩れ落ちる。


動かなくなった「C-97」を見て、佐藤が顔をしかめる。


「うわぁ……ゴキブリじゃん……気持ち悪くなる。」


2人は、「C-97」についての情報を何一つ知らなかった。

だが、確かに今、自分たちの目の前にあった“化け物”を、田中は撃ち倒したのだ。


「……ありがとう、勇気。」


「勇気君……カッコいい。」


突然の称賛に、田中の顔が一気に真っ赤になる。


「……(。>﹏<。)……!!」


佐藤がニヤニヤしながら見つめる。


「あれれ? ガキんちょ……顔赤くなってるけどぉ~?」


「ち、違ーーよ!!」


そのやりとりに、思わず翔と玲奈が笑い出した。


空気が、少しだけ和らいだ。


「ねぇ、佐藤さん。ここから4人で一緒に行動しませんか?」


井上が言うと、佐藤はあっさり頷いた。


「いいね。私は構わないけど。」


「じゃあ、決まりだな!」


不器用な少年と、ツンと澄ました少女。

真面目な秀才と、やや天然な癒し系。

4人のバランスはどこか歪だったが、逆にそれが、今の彼らに必要な「支え」だった。


だが――


彼らの知らぬ場所で、さらなる危機が、静かに目を覚まそうとしていた。


                               To be continued

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