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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第3-1章「交錯する運命・序章」

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55/83

第55話「終わらない惨劇」

――これは、終わったはずの戦いだった。

でも、どうしてこんなにも、僕の心臓は騒いでいるのか。

なぜ、“あの悪夢”がまた目の前に現れるのか。


答えは、誰にもわからなかった。


 


***


 


【第2章・これまでの物語のあらすじ】


2005年――東京都練馬区で突如発生した“原因不明のパンデミック”。

ゾンビ化した人々、崩壊した社会、絶望の只中で生き延びたのは、僕・山田太一を含む5人の小学生だった。


僕たちは大阪の「堺軍隊基地」に保護され、安息を手にした――はずだった。


だが2005年10月27日、再び悪夢は訪れた。

パンデミック第2波。基地は地獄と化した。


そんな中、僕たちに手を差し伸べてくれたのが、**「AIASF(反インフィニティ・アメリカ特別部隊)」**だった。

その部隊は、敵である「インフィニティ過激派組織」と真っ向から対立する勢力だった。


僕たちは各地へ散らされ、それぞれの任務へ向かった。

僕自身は、インフィニティの“最終兵器”との死闘に勝利したが、その代償は大きかった。

多くの兵士たちが犠牲になった。


 


――そして「裏切り」が起こる。


AIASFの隊長であり、僕たちの希望だったローラ・I・ネルが「インフィニティ」側だった。


向かった先は、南洋の孤島「グアム」。そこにはブルー・S・キャロットが支配する研究所があった。

それはインフィニティ組織の中核を担う施設。


 


僕たちは、謎解きと戦いを繰り返しながら、研究所の核心へと踏み込んでいく。

「過去に戻って根を絶て」――ローラさんの最後の言葉を胸に、僕たちは1970年5月30日の世界へとタイムスリップした。


そこにいたのは、若き日のキャロット。

その圧倒的な力に、僕は倒された。


だが、夢の中で一人の少女に出会う。


その少女の名はリリィ。

小柄で、不思議な金の装飾をまとった彼女は、僕にこう言った。


「残された“最後の技”……それが“足技”。あなたが希望なんだよ」


僕は、彼女から“足技”を授かり、キャロットをついに打ち破った。


そして未来へ戻り、僕たちは確信する。


「もう、世界は平和になったんだ」と。


だがそれは――あまりにも甘すぎる幻想だった。


 


***


 



 


――2005年7月20日 正午。

場所は僕の家、僕の部屋。


 


「ふはははっ! この展開…やばっ、腹筋崩壊www!!」


 


僕はベッドで寝転びながら、漫画を読み、腹を抱えて笑っていた。


 


「……グゥ~~~~~~」


 


不意に、僕と博士の腹が同時に鳴った。


「お腹……空いたね」


「そ、そうじゃな」


 


平和で、くだらなくて、どこにでもある日常。

それが、愛おしかった。


 


「手洗いしてくるよ。博士は先に台所行ってて」


「うむ。ワシは先に行ってるぞ」


 


そうして、博士はのそのそと立ち上がり、台所へ向かった。


僕は洗面所で手を洗いながら、心の中で呟いていた。


 


(世界は変わった。キャロットもいない。もう大丈夫)


 


……そう、“思い込んで”いた。


 


手を洗い終えた僕は、タオルで手を拭きながら、何気なく台所へ向かう。


すると――聞き覚えのある、あの声が聞こえた。


 


「お母さん!!聞こえてるのか? 後を向いてくれ。ワシじゃよ」


 


ドクン、と僕の心臓が鳴る。


台所のドアの向こうに立っていたのは、背を向けたママだった。


……そう、“あの時”と同じ光景。


 


(まさか……やめてくれ……頼む……)


 


「ベチャッッッ」


 


濡れた肉が床に落ちるような音。


赤黒い液体が、廊下まで滲んできた。


ママが振り返る。


 


その顔は、やはり――


 


**「ゾンビ」**だった。


 


濁った白目。

血で濡れた口元。

皮膚は裂け、腕は奇怪な角度に曲がっている。


 


「う、うわあああああああああ!!!!!!!」


 


僕は叫び、博士の腕をつかんで走り出した。


「博士!!!ダメだ!!ママは……もう……」


 


全力で玄関へ向かう。


後ろからは、狂ったようなうめき声と足音。

家具が倒れる音が鳴り響いていた。


 


外へ飛び出すと、さらに信じられない光景が広がっていた。


 


崩れかけた建物。

逃げ惑う人々。

煙と火の匂い。

そして――ゾンビの群れ。


 


「うそ……だろ……」


「太一!!早く逃げるぞ!!」


 


僕と博士は、目を合わせると頷き、小学校へ向けて走り出した。

あのときと、まったく同じ道を、再び駆け抜ける。


 


(なんで……なんでだよ!!!)

(キャロットを倒したのに……なんでまた「同じ日」に…!!)


 


恐怖、混乱、絶望。

それらが押し寄せてくる。


でも僕は、もう逃げないと決めた。

仲間と一緒に、何度でも立ち向かうと決めたんだ。


 


しばらくして、僕たちは小学校にたどり着いた。


1階、2階……3階……。


校内は静まり返っていたが、どこか違和感がある。


 


そして――保健室のドアの前に立つ。


僕は、震える手でドアノブを握った。


 


「みんな……いるよね?」


 


 


           


                 To be continued

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