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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第2章「終わらない戦い」

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第49話「反撃開始」

意識を取り戻した僕に、最初に声をかけたのは――キャロットだった。


 


 「山田太一……起きたのか……www!!」


 


 その嘲り混じりの笑い声が、頭の奥で不快なノイズのように響く。だが同時に、それが僕の覚醒を証明する“鐘の音”にも思えた。


 


 次いで――


 


 「太ちゃん!! 太ちゃん!! 大丈夫!!?」


 「おい!! しっかりしろ、太一!!」


 「大丈夫ですか!? 返事をしてください!!」


 


 井上、田中、小野――僕の大切な仲間たちが駆け寄り、声を重ねていた。


 


 僕は、口の端にわずかな笑みを浮かべながら、言った。


 


 「……うん、大丈夫。」


 


 当然、みんなは驚いた表情を浮かべた。


 


 「太ちゃん……無理はしないでほしい」


 「そうだ!! 今は休んでくれ!!」


 「私たち3人でキャロットをなんとかします!」


 


 心配してくれる仲間たちの声が、温かく胸に届く。


 でも――


 今の僕には、「休む」なんて言葉は、必要ない。


 


 だって、僕は……“取得した”。


 リリィから授かった最後の技――「足技」を。


 


 「大丈夫……。僕が絶対に……キャロットの根を断ってみせるから!!」


 


 その言葉に、仲間たちは驚愕した表情を見せる。


 


 さっきまで“瀕死”だった僕が、まるで別人のように立ち上がっている。


 でも、すぐに彼らの顔は“信頼の色”に染まった。


 


 「……そうか、頑張れよ!! 太一!!」


 「ヤバい時は、僕たちが守る!!」


 「無理はしないでくださいね……!」


 


 その声に、僕はこくんと頷いた。


 


 目を向けると、キャロットが距離を取って構えている。相変わらず余裕の笑みを浮かべながら。


 


 「www!! 友達に応援されて、“再戦”か? 笑わせんじゃねぇよ。お前は私には勝てないんだよ!」


 


 さっきの惨敗を引き合いに出す、汚い挑発。


 だけど――僕の中に沸き上がる怒りは、冷たく、そして確かな力を帯びていた。


 


 「いい加減にしろ!!」


 


 怒声が響いた瞬間、仲間たちは驚いた表情を見せた。


 


 「“実力差”とか、“再戦”とか……そんなのはもうどうでもいい!!」


 「僕は今、“倒したい”んだよ!! ここで負けたら、意味がなくなる!」


 「だから……もう“逃げたい”とか、“死にたい”とか――考えねぇ!!」


 


 その言葉に、キャロットの顔がわずかに変わった。嘲笑から、わずかな“興味”を含んだ真剣な表情に。


 


 「……そうか。お前は、私と“本気”で戦いたいんだな?」


 


 「当たり前だ!! 後悔なんか、どうでもいい!! 僕の目的は……お前の根を断つことだ!!」


 


 次の瞬間。


 


 キャロットが、動いた。


 


 「私の右腕の“大爪”を喰らうがいい!!」


 


 その異形の右腕――黒く巨大な爪を振りかざしながら、僕へと突進してくる。


 


 それを見た瞬間――不思議と、心が静かになった。


 そして、ふと思った。


 


 (……あれ、“避けられる”かもしれない……なんで……?)


 


 自分でも理由がわからなかった。けれど、体が自然と動いた。


 


 「――瞬脚・『一閃』!!」


 


 地を蹴る音が、空気を切り裂いた。


 


 視界が流れる。すべてがスローモーションのように感じられる。


 キャロットの腕が目の前を横切る直前、僕の体はすでに――背後にいた。


 


 「なに!!?」


 


 キャロットが振り返った瞬間。


 


 「ドンッ!!」


 


 僕の右足が、キャロットの頭部に見事な回し蹴りを打ち込んでいた。


 


 衝撃で体勢を崩したキャロットが、数メートル先へと吹き飛ぶ。


 


 「な……なに……!? 嘘だろ!? 私の“大爪”を避けた!? それどころか……攻撃が当たっただと!?」


 


 地に伏すキャロットが、狂ったように見開いた目でこちらを見る。


 


 僕は、静かに立ち上がった姿勢を整えながら言った。


 


 「……これが、僕の“足技”だ!!」


 


 床を踏むたびに、空気が唸る。


 足先に集中するエネルギーが、重力を操るような感覚さえ与えてくれる。


 “戦士”ではなく、“忍者”のような機動力。


 


 ――リリィの言葉は、本当だった。


 僕は、変わった。


 


 キャロットはゆっくりと立ち上がり、右腕を握りしめて言った。


 


 「……ならば、次は“真の技”で……貴様を切り裂く……。」


 


 僕も、ハンドキャノンを手に構えながら言った。


 


 「さあ――こいよ、キャロット。今度は、僕が主役だ。」


 


 


                       To be continued

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