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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第2章「終わらない戦い」

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第40話「正気に戻せ」

――僕は、泣きながら博士にしがみついていた。


その身体は、相変わらず冷たくて、重くて、だけど――懐かしい。

何度も、何度も突き放されても、

心の奥底にいる“お祖父ちゃん”を信じて、僕はしがみついた。


「みんなと一緒に帰ろう!! 博士が大好きなサンドイッチ、一緒に食べようよ!!

…あっ…でも、お小遣いが…ない…。」


「たかがお小遣いがないなら、要求してくんじゃない」


無情な言葉が飛ぶ。

けれど、その声の奥に、わずかに震える迷いを感じた。


僕は、攻撃を受け、吹き飛ばされながらも叫び続けた。

「みんなで公園で遊ぼうよ!!また…楽しい時間を送ろうよ…。」


「黙れ…もう、あの時のことは忘れたいんじゃい!!」


だけど僕は、まだしがみつく。

あの温もりを、忘れたくなかった。


「脱出したら、みんなで旅行行くんだ。

沖縄の那覇や与那国島に観光したり、食べ歩きしたりするんだ。

……どう…行きたい? 博士。」


「何度言えばわかるんじゃ?ワシはそんなことはどうでも良いのじゃい。」


「みんなで脱出して、博士と一緒に勉強したい!!

博士ならわかりやすく解説してくれるから、僕だってもっと、頭が良くなる自信がある!!」


「お前なんかじゃ、無理に決まっているのじゃ。

なんど言わせればわかるんじゃ?」


でも、僕はもう諦めないと決めた。

8回目のしがみつき。


叫ぶ――

「博士!!!!!!正気に戻ってよ!!!!」


博士はまた僕を突き放そうとする。

しかし、今度は様子が違った。


その身体が、小さく震えている。


「……なんで……お前は……いつも、いつも……そんなに……抱きついてくるんじゃ……?」


「決まってるよ!!!

博士を、いや――お祖父ちゃんを、尊敬してるんだよ!!!!」


「……!!!……。」


僕の言葉に、博士の瞳が――かつての、優しかったお祖父ちゃんの色に、少しずつ戻っていく。


「毎日毎日、朝早く出勤して、働いて、帰りはかなり遅くて、就寝時間もかなり短かったでしょ?

それでも……休みの時は、『発明品』で遊んでくれたじゃん!!」


「それは……そうじゃが……それだけなのか……?」


「他にもあるよ!!

お手伝いを一緒にやってくれたり、苦手な単元をわかりやすく解説してくれたり、励ましてくれたりしてたよ!!!」


「……そうっじゃったっけ……?」


「そうだよ!!

僕はお祖父ちゃんのこと……ものすっごく尊敬してるんだ!!!!

だから……みんなで、ここを……脱出しようね……!!」


その瞬間だった。

博士が、僕の胸に強く抱きついてきた。


「ごめんよ……太一……『不良品』呼ばわりしてしまって……。」


「大丈夫だよ博士。いや――お祖父ちゃん。

別に、メンタル崩壊したわけじゃないし。」


「よかった……よかった……本当に……」


――そのときだった。


「ブチュ!!!」という、肉が裂ける音が、研究所に響いた。


「……え……?」


僕が下を見ると、博士の腹部から、大量の血がドパドパと流れ出していた。

何かが、後ろから――貫いたのだ。


博士はそのまま、力なく倒れる。


「えっ……?……なんで……こんなことに……?」


足音が近づいてくる。


乾いた音。ゆっくりと、しかし威圧的な音。

橋の向こうから、**“それ”**が現れた。


「使えないバカどもだなぁ……玲奈に、日佐知香に……それに、博士までもが……ガラクタに。」


そこに立っていたのは、キャロットだった。

左手には、まだ血のついた刃のような武器を持っていた。


黒い瞳。狂気に染まった口元。


「さて、残りは……お前一人だけだな、太一くん。」


                     To be continued

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