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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第2章「終わらない戦い」

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38/83

第38話「もう博士ではない」

僕は――その扉を開けた。

研究所の中は想像以上に冷たく、そして…異様だった。

壁も天井も床も、すべてが黒。まるで闇がそのまま建物の形を成しているようだった。

左右には広すぎる橋が何本も伸びていて、その下は見えないほど深い闇。

一歩踏み外せば、落ちた瞬間、命は無いだろう。


僕は博士を探しながら、1階をくまなく歩いた。だが見つからない。

何もいない。不気味なほど静かだった。


階段を上がり、2階にたどり着いた。

その南の広いゾーン――そこに、彼はいた。


「博士!!ここにいたんだね!!久しぶり!!」


僕の声が空間に反響する。

その背中は、懐かしい――けれど、今は知らない人のようでもあった。


博士はゆっくり振り返った。そして、皮肉な笑みを浮かべて言った。


「おや?誰かが来たかと思ったら、『下位互換』の襲来か。」


「そんなのはどうでもいい…博士、ここを脱出しようよ!!」


「……脱出? ワシは『キャロット様』には逆らいたくない主義じゃ。」


「なんで……? なんで断るの? “家族”でしょ!? なんで!!?」


博士は目を細め、かつての柔らかい顔つきとは違う、硬く冷えた表情でこう言った。


「言っとくが……ワシらは、もう『家族』じゃないんじゃぞ。」


「……!!」


「太一、ワシはお前を“息子”として扱った覚えはない。

 ワシは仕事に明け暮れ、発明にのめり込んでいた。

 お前の“存在”に目を向ける暇なんぞなかった。

 それでもワシは“人類”に貢献し、“世界一の天才”と呼ばれるようになった。

 それが、ワシの誇りじゃ。」


「僕を『息子』として扱っていない理由は?」


「簡単なことじゃ。……お前は“失敗作”だからじゃ。

 運動能力だけは高く評価しとる。だが、問題は『脳』じゃ。

 ワシが出した基本的な問題も答えられなかった。

 ……それがワシには、“恥”だったんじゃ。」


――心が締めつけられる。


その言葉が刃のように、僕の胸に突き刺さる。


でも、僕は――叫んだ。


「僕は、“命拾い”のためにここに来たんじゃない!!」


博士は眉を上げた。


「……んっ?」


「僕は、博士を“元の状態”に戻すためにここに来た!!!

 今のままじゃ、博士は“博士”じゃない!!!

 でも、僕は信じてる。博士には“いいところ”がある。

 だから――無理矢理でも救ってみせる!!逃げたりなんて、しない!!!」


博士はゆっくり笑った。


「そうか……そう来なくちゃ、太一。

 だが、後悔しても知らんぞ?

 ……ワシはもう、“Big博士”じゃない。“武器を愛する開発者”――ただの機械狂じゃ。」


博士は手を挙げた。

すると、床が開き、複数の凶悪な武器――自律型の兵器たちが現れた。


「来い、太一。ワシが開発した“凶悪武器”たちに勝ってみろ!!」


金属音とともに、武器たちが動き出す。

マシンガンを搭載した四足歩行ロボット、火炎放射を備えたドローン、そして人間型の戦闘兵器――。


僕はハンドキャノンを構えた。

両肩の痛みを堪えながら、拳を強く握る。


「僕は……絶対に、博士を“取り戻す”!!!!」


次の瞬間、空間が爆音とともに燃え上がった。

激しい戦いが、いま、幕を開けた――。


                To be continued

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