表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第2章「終わらない戦い」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/83

第36話「理由」

橋の中央、静かに風が吹く。

その中で、僕は叫んだ。


「なんで天野君がここに……!!?」


天野は、うっすらと笑みを浮かべながら答える。


「ハハハ……決まっているだろう。君たちが“屋敷城の試練”を突破したことで、僕はここで君を待っていたのさ」


「くっ……!」


天野はゆっくりと手を後ろに回し、リボルバーの柄を撫でながら、冷たく続けた。


「ここから先は“研究所”だ。……君たちが入っては困る。だから、ここで終わらせる」


「ひとりで相手する気か……?」


「まあ、そういうこと。だけど、僕なら十分だろう?」


僕の胸の奥に、言葉にならない怒りが渦巻いた。


「……なんで……」


「ん?」


「なんで“インフィニティ”なんかに……加入したんだよ!!!

 テロリストなんだぞ!! 人を何百万も殺してるんだぞ!!!

 天野君も……玲奈も……それに博士まで……なんでだよ!!!?」


その瞬間、天野の表情が変わった。

あの整った顔に、静かで冷えた怒りと――どこか寂しさが混ざったような微笑が浮かぶ。


「……飽きたからさ」


「……はあ?」


「飽きたんだよ、あの“普通の世界”に」


彼の声は妙に冷静で、だからこそ残酷だった。


「勉強も運動も、インタビューを受けることも、全部やってきた。……だけど、何も楽しくなかった」


「僕はね、“天才”として期待されてきた。

 “頭脳力”も、“学習力”も、“運動力”も、すべてにおいて完璧だった。

 でも――僕の家族は、そんな僕を“おもちゃ”としか見ていなかった」


その声には怒りも憎しみもなかった。あるのは、諦めだけだった。


「1問間違えれば食事抜き。点数が下がれば、外に全裸で放り出された。

 “才能”なんて呼ばれても、僕はずっと、監獄にいたんだ」


そして、彼の視線は遠くへ向いた。


「……そんなある夜、“キャロット様”に出会った。

 彼は言った。

 “君には圧倒的な才能がある。もう飽きただろう? この世界の“最初の労働”に。

 加入すれば、君は“楽園と支配”の意味がわかるようになる”――と」


「キャロット様は、世界で一番、幸せな人間かもしれないよ……」


――その瞬間、僕は自然と「ハンドキャノン」を構えていた。


「ふざけるな……!!!

 “飽きた”? “才能”?

 そんな言葉で人を殺す理由になるかよ!!!!!」


「天野君……過去は確かに酷かった。だけど、それを理由に人を殺していい理由にはならない!!

 ……今なら、まだやり直せる!」


僕は銃を下ろし、右手を差し出した。


「握手しよう。……まだ遅くない。友達や家族、先生の信頼は――時間がかかっても、きっと戻る。

 やり直せるんだ、天野君……お願いだ!!!」


――しかし、天野は僕の手を見下ろし、笑った。


「やっぱり君は変わらないな。

 理想論と綺麗事で塗り固めた世界を、まだ信じてる」


彼は僕にリボルバーを向ける。


「さあ、“開発生物キラー”の太一君。

 僕と相性がいい武器で、一騎討ちしようじゃないか」


(逃げても、叫んでも、殺されても……絶対に後悔する)


僕は覚悟を決め、再び「ハンドキャノン」を構えた。


「勝っても負けても……にらめっこなしだ」


橋の上、風が止まった。


世界が静まり返る中、僕たちは互いの銃口を見据えた――


そして、2人の一騎討ちが始まった。


               ――To be continued

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ