第35話「みんなと再会」
僕は、きしむ階段を踏みしめながら上の階へと進んでいく。
F3、F2、F1──どの階も、異様なほど綺麗で、まるで洋館のような佇まいだった。
(この不気味な静けさ……でも、感じる。誰かが、この先にいる気がする)
そして──
1階にたどり着いた瞬間だった。
「太一!!!」
田中の声が響いた。
「太一じゃねーかよ!!!」
僕の目の前に、田中、井上、そして小野さんがいた。
「太ちゃん、無事だったんだね!」
「よかったです…本当に…よかった…」
小野さんは思わず、涙ぐんでいた。
「僕も……みんなと再会できて……ほんと、よかった……」
気づけば僕の胸にも、熱いものがこみ上げていた。
田中が興奮気味に言った。
「それよりすげーことがあったんだよ!! あそこの倉庫を開けたらな、武器が山ほど入ってたんだよ!!」
井上も続ける。
「僕たちが持ってた武器も全部そろっててね!ちゃんと整備されてたんだ!」
「本当に!?……僕のハンドキャノンと……」
その言葉を待っていたかのように、小野さんが両手に抱えていた銃と弾薬を差し出してきた。
「はい、太一君……これ、きっと役に立つと思って……」
「ありがとう、小野さん!!」
「……(。>﹏<。)……どういたしまして……」
久しぶりに、空気が柔らかくなった。
けれど、僕の胸には、どうしても拭えない思いがあった。
「……僕、博士を探してくる」
「はぁ!? お前、正気かよ!?」
田中の目が丸くなる。
「そうだよ、太ちゃん! 博士は完全に“敵”なんだよ! 危ないって!!」
井上の声も必死だった。
でも、僕は頷いた。
「……分かってる。敵だってことは分かってる。でも……それでも、言わなきゃいけないことがある。助けられるなら、助けたいって思ってる」
小野さんが、ほんの少し悲しそうに言った。
「その決意……立派です。でも、それはつまり……あなたは一人で行動するってことになりますよ……?」
「うん。大丈夫。武器もあるし、弾もある。戦える」
「……分かりました。気をつけてください」
田中が右手を高く上げた。
「……絶対、死ぬんじゃねぇぞ!!」
「うん、任せて!」
井上も拳を握って叫ぶ。
「太ちゃんも頑張って! こっちは俺たちでなんとかする!」
「ありがとう。……また、あとで!」
僕は一人で東の廊下へと足を踏み出した。
仲間たちは、西の方向へと消えていく。背中を見送る暇はなかった。
今、僕にできることは一つだけ。前へ進むことだけだ。
──20分後。
場所は、屋敷の外と内の中間のような広大な橋だった。
横幅はサッカー場並みに広く、下は底が見えないほどの深い闇だった。
一歩踏み外せば、戻ることはできない。
(慎重に……)
そう思いながら進んでいると、橋の中央に人影が見えた。
白く整った制服、涼やかな眼差し──
「おや? 誰かと思えば、『開発生物キラー』の山田太一君じゃないか。……三ヶ月ぶりだね」
その声を、僕は絶対に忘れない。
「……お前は……日佐知香」
そこに立っていたのは──
“かつての天才小学生”、僕のクラスメイトだった。
天野日佐知香。
――To be continued




