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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第2章「終わらない戦い」

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31/83

第31話「インフィニティ領グアム研究所」

――視点は変わる。

世界で最も青く美しいはずだった島、グアム。

その中央に位置する“インフィニティ領グアム研究所”の地下深く、重々しい空気が漂う会議室で、4人の影がテーブルを囲んでいた。


「……堺軍隊基地を含む堺市は、ゾンビの大群に包囲されております」

低い声で淡々と報告するのは、天野日佐知香。

小学生離れした知性と冷静さを持つ天才児――だが、今やその瞳に宿るのは冷徹な冷光。


「数日中に、堺市は完全に崩壊する見込みです。予想より早いですね、キャロット様」


「そうか、そうか……それでこそ“実験都市”の名にふさわしい」

椅子に足を組んで座りながら、笑みを浮かべた男。

真紅のスーツに身を包んだ彼こそ――インフィニティ・アイランド部隊 最高幹部、「ブルー・S・キャロット」。


「しかしまぁ、あれだけ仕込んだ最終兵器が、あのクソガキにやられるとはな」


「……あの、キャロット様!!!」

焦ったように走り込んできたのは、かつての仲間・髙橋玲奈。


「最終兵器の“GK-336”が……! 撃破されたという報告が入りました!」


「……ッ!? 何だと……誰がやった!?」


玲奈の口から放たれた名前は、全員の心に刺さるように響いた。


「――“山田太一”です。3ヶ月前の練馬区事件で開発生物をすべて撃破した……あの、“ガキ”ですよ」


会議室の空気が一瞬で凍りつく。


「また……あのクソガキか……!!!」

キャロットが苛立ちに席を立つ。

「まさか、化け物を二度も撃破するとは……どんなバグだ、あいつは……」


天野は手元の端末を軽く操作しながら言った。

「その件に関しては心配ありません。ローラがすでに対処を開始しています。今ごろ“気絶”して、グアムに運ばれている最中です」


「……処理は万全、ということか」

キャロットはようやく落ち着いたように椅子へ戻る。


「だが万が一のため、次の布石も打っておく必要がある。なぁ、博士?」


その呼びかけに応じたのは、闇の奥に座っていた初老の男。

――Big博士。元・日本の科学者でありながら、己の欲望のために道を踏み外した狂気の開発者。


「……そうじゃな。確かに太一は開発生物を撃破した。しかし、ワシが育てた“コピー人間”のほうが強い。問題は“洗脳”の最終段階だけじゃ……」


玲奈が言った。「つまり、もうすぐ完成するということですね」


「そういうことじゃ。魂なき“太一の影”が完成すれば、本物よりも強く、忠実で、壊れにくい」


キャロットは大声で笑い始める。


「ハーーハッハッハッハ!!! さすがだな、Big博士!! この流れ……勝ち確じゃねぇか!!」


天野は再び端末を操作しながら口を開いた。


「数時間後にはローラが“ガキども”を連れて研究所に到着します。全員、研究施設にある“屋敷城”に収監予定です」


「“屋敷城”……」

玲奈がぼやく。「また、あれを使うんですか? あのトリックは……初見殺し極まりないですよ」


キャロットはニヤリと笑って答えた。


「いいじゃねぇか。どうせガキどもには解けやしねぇ。知ってるか? あそこは、3つの時間制限トラップと5つの心理型パズルが組まれてるんだぞ?」


「……やりすぎです」


天野が肩をすくめる。


「それに太一は、もう限界だよ。仲間も失って、身体もボロボロで、精神もギリギリ。今度こそ、“バッドエンド”ってやつさ」


「……倒せるもんなら、倒してみろ」

キャロットは立ち上がり、天井のライトに顔を照らしながら叫ぶ。


「俺は逃げねぇ、屈しねぇ!!

なぜならこの俺は、“インフィニティ・アイランド部隊 最高幹部”――

ブルー・S・キャロット!!!」


その咆哮は、グアムの地の底にまで響いていた。


そして――運命の駒たちは、再び動き出す。


                  ――To be continued.

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