第28話「裏切りと化け物」
――屋上に響く怒声。
「ソンさん!!Bad社長とあまねさんはどこに行ったんですか!!?」
僕の問いに、ソンさんは少し顔をしかめながら答えた。
「……そういえば、2人はローラ隊長の指示を無視して、勝手に行動していたような……」
そのときだった。
ローラの鋭い声が屋上に響いた。
「あれは……Bad社長……!」
彼女が指差す先。
別棟の屋上に、ぐったりと倒れ込む社長の姿があった。
スーツは腹部の血で真っ赤に染まり、動かない。
「僕、近くで見てきます」
「……わかった。だが、これを持っていけ」
ソンさんが差し出したのは――グレネードランチャー。
「ありがとう……必ず戻ってきます」
僕は息を殺しながら、別棟へと向かった。
――数分後。
僕は屋上の扉をゆっくり開けた。
そこには、動かないBad社長と、ハンドガンを彼の頭に突きつけたスーツ姿の女性がいた。
「……あれ?誰かと思えば、“資料集めをしてるだけのガキ”かと思ったら、あんたか……」
その声。
「……あまねさん……?」
「そうよ」
あまねは無表情で僕を見た。
「……なにしてるんですか……?なんで、銃なんか……」
「教えてあげようか?」
あまねはにやりと笑った。
「このクソ社長にね、私は散々セクハラされたの。バカみたいに。
誰も信じてくれない。だからね、制裁してやってるのよ」
「制裁……?」
「そう。あんたみたいな“正義感だけの子供”には理解できないと思うけど、
私はこの社長を潰したかったの。会社ごと、なにもかも」
「……つまり、あなたは“裏切り者”だったってことですか……?」
「そうよ♡」
まるでゲームのボスキャラのように、あまねは堂々と笑った。
「私ね、好きな食べ物は“ブルーベリー”なの。
ブルーベリーってさ、“裏切り”って意味があるんだよ。知ってた?」
「……知らないし、関係ないです」
「この世で偉いのは、“裏切り”と“悪”と“黒”!あたしはそれを信じて生きてきたの!」
そう言い放った瞬間だった。
背後に――“アイツ”が立っていた。
「えっ……なに? なにこの……化け物……」
あまねが振り返った瞬間、巨大な手が彼女を掴んだ。
「やめて!!やめなさいよ!!私に触らないで!!」
だが、次の瞬間。
バキィ……
耳を塞ぎたくなるような音が響き、
あまねの頭が――化け物の口に消えた。
「う、嘘……だろ……」
社長もまた、無残に喰われた。
その直後――
「ググググ……ヴァアアアアアアァァァ!!!!!!」
化け物が、両手で頭を抱えてうずくまる。
震え、軋み、全身から音を立てて……“進化”していく。
鋭い爪が伸び、皮膚は鉄のように硬化し、目には真紅の光が灯った。
「嘘だろ……こいつも、G-315のように……“第二形態”があるのか……」
逃げるべきか。
戦うべきか。
2分の1の選択――
でも、僕は決めた。
「戦う……ここで逃げたら、もう誰も守れない!!」
グレネードランチャーを構える。
狙う先にあるのは――“人間を捨てた化け物”。
「来いよ、最終兵器……!!」
To be continued...




