第27話「全員集合」
爆発が響く。
ローラの怒声が屋上へとこだました。
「ふざけんな!!!この化け物め!!!!」
ローラはためらいなく手榴弾を投げつけた。
炸裂音と共に火花が散り、異形の化け物の姿が炎に包まれる。
「全員!!!動画鑑賞室を出ろ!!!屋上に行くぞ!!」
怒号とともに、Cグループは退避を始めた。
だが、間に合わなかった兵もいた。
爆風に巻き込まれ、吹き飛ばされる影。
誰も叫ばなかった。声すら出なかった。
生き残った者たちは無言で、ただひたすらに屋上を目指した。
──
視点は僕、山田太一に戻る。
階段を登ろうとしたとき、3階から聞こえてきた大きな爆発音。
「ドカーーーーーーーーーーーーッン!!!!」
その音を聞いた瞬間、胸が締めつけられる。
「まさか……Cグループが……!?」
いても立ってもいられず、僕は3階へ走った。
だが、そこに仲間の姿はなかった。
あったのは、煙。炎。そして、倒れた兵士たちの亡骸。
「そんな……」
床に手をついたその瞬間、スピーカーから聞こえてきた声――
「太一!!!!聞いてるか!!!!?
俺達は今、屋上にいる!!!
この軍隊基地には化け物がいる!!!!
だからなるべく急いでほしい!!!!
屋上で待っているからな!!!!!」
田中の声だった。
生きている――それだけで、胸が熱くなった。
「……良かった……!」
すぐさま階段を駆け上がり、4階、そして屋上へ。
扉を開けると、そこには――
「太一!!!!!」
「太ちゃん!!!ホッとしたよ!!」
「生きててよかったです……!」
仲間たちの声。
涙が出そうだった。
だが――
その空気を塗り潰すように、田中が指を差した。
「……太一……最終兵器を見たんだ……」
指先の先には――女性兵たちの姿があった。
顔をぐしゃぐしゃにしながら泣き叫ぶ者、
地面に嘔吐し続ける者、
ズボンを濡らしたまま震えている者――
「マイクロ様!!!」
「ヴォェッ!!」
「プシャーーーーッ!!」
「ズボンがぁぁ……漏れちゃった……」
異様な光景だった。
それだけ、彼の死は――彼女たちにとって、重すぎたのだ。
マイクロ・マクロス。
誰からも好かれた衛生兵。
イケメンで、優しくて、完璧だった男。
彼の最期は、仲間をかばい、そして無惨に倒れた――
田中が、次に指を差す。
その先にはジョディーとピューリ。
「……俺が……巻き込まれてたら……」
「やめろ、ジョディー!!そんなこと……!」
ジョディーはうつむいたまま。
ピューリは肩を叩くが、その目も、泣いていた。
その場にいる全員が、マイクロの死を受け入れられずにいた。
でも――僕は、何かがおかしいと感じた。
違和感。
胸の中に広がる黒い霧のような、不吉な何かが……
じわじわと、心を侵していた。
それはまだ、形になっていない。
けれど――確かに“何か”が、動き始めていた。
そして、それは“終わり”の始まりだったのかもしれない。
To be continued...




