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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第2章「終わらない戦い」

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24/83

第24話「人体実験の結果」

「ガァァァァッ!!」「グルルルルッ!!」


廊下に響く不気味な声。

僕はピューリさんから託された「ハンドキャノン」を手に、

迫るゾンビたちを一体ずつ撃ち抜きながら、研究棟の奥へと進んでいった。


肉を焼くような薬莢の音、弾丸の反動、そして沈黙。


約20分後──


ようやく、研究棟の最奥、「研究室」にたどり着いた。


重いドアを開け、足を踏み入れる。

そこは白く無機質な空間。

壁一面に並ぶ観察装置とガラスケース。

そして、机の引き出しから見つけたのは、一冊の古びた資料だった。


表紙にはこう書かれていた。



---


「インフィニティ研究科による人体実験の結果」


被験者:神田かんだ 香織かおり

年齢:20歳

職業:コスプレイヤー

身長:153cm

趣味:メイク/アニメ/撮影


【実験目的】


特定ウイルスの人体への影響を観察する


精神・肉体への段階的変化を日記で記録させる


今後の「新種開発」への応用データ収集



【実験期間】

2004年5月23日 〜 5月28日



---


その下には、神田さんが書いたと思われる日記が並んでいた。



---


◆ 5月23日(日)

私は今日から被験者になった。

なぜここに送られたのか、正直わからない。

部屋は暗く、臭く、誰も話しかけてくれない。

身体には今のところ異常なし。でも、心が少しずつ削れていく。

……早く、帰りたい。



---


◆ 5月24日(月)

眠れなかった。

朝になっても、ずっと胸の奥がザワザワしてる。

何かを叫びたくて、でも声が出ない。

鏡を見たら、少し顔つきが変わっていた。

目が……笑っていなかった。



---


◆ 5月25日(火)

誰かの声が聞こえる気がした。

でも、壁の向こうには誰もいなかった。

気づいたら、腕に爪の跡がついていた。

自分で引っかいたのかも。……覚えていない。

日記を書かないと、私が誰だったか忘れてしまいそうで、怖い。



---


◆ 5月26日(水)

漢字がうまく書けなくなってきた。

「忘」という字が思い出せなかった。

書いても、書いても、全部、ぐちゃぐちゃになった。

感情も、冷めていく。

……私って、まだ人間なのかな。



---


◆ 5月27日(木)

ワタシ    ノウミソ   コワレテイル

ヒト     ジャナイ   キガスル

ニホンゴ   ムズカシイ   タスケテ

オカアサン   ダレカ    ワスレタ



---


◆ 5月28日(金)

 た す け て

 だ れ か

 い き た い

 もう いたい こわい おわりたくない

 わたしは わたしなのに

 にんげん で いたいのに



---


僕は、読み終えて、しばらく動けなかった。


白く光るページが、ひどく重く感じた。

彼女は確かに、誰かに愛されていた一人の女性だった。

夢を持ち、笑って、好きなことを楽しんでいた人間だった。


それを壊したのが、「インフィニティ」だ。


僕の中で、怒りが爆ぜた。


心の奥底で、僕は叫ぶ。


「ふざけんなーーーーーーーーー!!!!!!

 インフィニティ……!!

 絶対に、許さねぇーーーーーー!!!!!!」


資料をバッグにしまい、僕は静かに研究室を後にした。


歯を食いしばりながら、涙を見せないように。


                   To be continued...

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