第21話「反インフィニティ・アメリカ特別部隊2」
騒がしい兵舎に、怒鳴り声が響いた。
「ワイワイしてる場合か、貴様らぁぁあ!!?」
僕たち全員の視線が一斉にその声の主へ向かう。
現れたのは――スーツ姿の老人と、ノートを抱えた静かな女性。
「Bad社長……!」
ジョディーが慌てて敬礼する。
「これは失礼を……!」
しかし、社長と呼ばれた男は容赦ない。
「何が“失礼”だ!!ワシは有名大企業・Bad情報技術会社の社長じゃ!!
こんなクソみたいな基地で死ぬ気か、貴様らぁあ!!」
ピューリがすぐに他人のせいにする。
「これは……イケメン馬鹿とオタクな女性兵たちのせいです!!」
女性兵たちが一斉にキレる。
「はああ!? 意味わかんないんだけど!?」
「私たちのせいにするな!!」
「オマエらの口が災いだよ!!」
すると、Bad社長がさらに燃料を投下。
「お前らみたいな三流兵士がガタガタ言ってんじゃねーよ!!」
「はあぁ!? なにこの老害!?」 「訴えてやりてえ……」
空気が最悪の方向へ向かっていく中、横にいた女性が小さく口を開いた。
「……あの、皆さん……落ち着いて……喧嘩しても脱出できませんよ……」
それはあまねさん。静かな語り口の中に、誠実さがにじんでいた。
だが――
「黙れっっっ!!あまね!!
最年少で部長に上り詰めたからって、調子に乗るな!!」
社長が胸ぐらを掴み、怒鳴る。
「ひいぃぃっ……す、すいません……」
(……あの人、なにも悪くないのに……)
すると、そこに現れた一人の男性兵士。
髪に白が混じったアジア人。口調は柔らかく、態度も丁寧。
「まあまあ、落ち着きましょう、Bad社長」
「……誰だ貴様? ワシと同じぐらい歳とってるな?」
「A1二等兵、ソン・パクソンと申します。54歳、アジア系唯一の兵士です。よろしくどうぞ」
「……年下か。ワシは70歳だぞ。
……まあ、脱出できりゃいいか。ワシも“優しさ”ってもんはある」
ようやく空気が和らいだ――かに思えたその時。
ローラ・I・ネルが、感情ゼロの声で口を開いた。
「お前ら……なぜそんなに騒ぐ?
“軍隊基地脱出作戦”の会議を始めるぞ」
全員がピタッと静かになる。
「はい、ローラさん……」
田中がうなずく。
「チッ……しゃーねえな……」
ジョディーが口を尖らせる。
「……ローラさんも、王子様みたいにカッコイイかも……(。>﹏<。)❤」
女性兵たちが小声で囁く。
「よし、さっさと終わらせてくれよ……ワシは寿命が短ぇんだ……」
社長がブツブツ言いながら椅子に腰を下ろす。
そうして、“地獄の基地”から生きて出るための――
本当の意味での“戦略”が、ついに幕を開ける。
To be continued...




