第20話「反インフィニティ・アメリカ特別部隊(AIASF)」
僕は、40分間必死に走った。
血の気も汗も尽きるほどに――たった一つの“希望”を探して。
そして、ついに辿り着いた。
「管理室」。
「……やっと……見つけた……!」
けれど、ドアを開けた瞬間。
銃口がいっせいに僕へと向けられた。
「誰だ!! お前は!!」
「なぜここに来た!?」
「な、なんでいきなり銃!? 待って!!」
そのとき――一人の長身の女性兵士が前に出る。
鋭い眼光とハンドガン。
「お前……名前は?」
「や、山田太一です……」
「……何の目的で?」
「……ひとりの兵士が……“管理室に行け”って……」
沈黙が流れる。その瞬間――
「って、よく見たら太一じゃねーか!!」
「ローラさん、その子は僕たちの仲間です!」
田中と井上の声。
彼らの姿が、銃口をすっと下げさせた。
「みんな……!!」
僕は――泣いた。
「みんな……生きてたんだな……!」
小野の静かな声が返ってくる。
「……はい。無事でよかったです」
田中が僕の肩を叩いて言った。
「紹介するぜ。この人は、反インフィニティ・アメリカ特別部隊A1の隊長、ローラ・I・ネルさんだ」
ローラは無表情で、一切感情のない口調で言った。
「よろしく。……特に話すことはないけど」
(……塩対応……!)
そこへ新たに現れる、陽気な声。
「よかったな坊や!!命拾いしたな!」
茶髪・サングラス・筋肉モリモリの男がニヤついて近づく。
「副隊長、ジョディー・ジョーンズだ!!
射撃ならこの**高身長巨乳姉さん**より上だぜ!!ヨロシクな!!」
「……は、はい……」
しかしすかさずローラが冷静に一言。
「黙れ、性欲バカ」
空気が凍った。
続いて現れたもう一人の男は、ドヤ顔で名乗る。
「よぉ!! 俺がA1大佐、ピューリ・アレクタン!!
ダジャレが得意で、スナイパーの腕は“神”。」
「……よろしく……」
「じゃあいくぜ! 本日のダジャレ、ハラ返し!!!!
……“そのセクハラ、俺がアイツにやってやるぜ!! ハラ返し!!”……HAHAHA!!」
(……あまりにも……思んない)
ローラは淡々と言う。
「お前も、ハラスメントに加担しているぞ」
さらに続くツッコミの嵐。
「ジョディー、お前変態すぎるだろ!!」
「ピューリ、それ訴訟モンだって!」
そして――その瞬間。
新たな“光”が現れた。
「大丈夫でしたか? お怪我はありませんでしたか?」
整った顔立ち、完璧な体格。
まさに軍のポスターに載っていそうなイケメンが、僕の前に立っていた。
「あなたは……?」
「A1衛生兵、マイクロ・マクロスです。
けが人の対応が僕の任務です」
その直後――
「キャーーーー!!! マイクロ様!!」
後ろから女性兵士たちの黄色い歓声が響く。
「マイクロ様は世界一イケメン!!」
「身長186cmで筋肉質!!」
「笑顔だけでご飯3杯!!」
そして彼女たちは向きを変え――
「ジョディーとピューリ? あれは論外」
「『ほぼ下ネタ』と『ダジャレ地獄』のコンビね、ぷぷっ」
「ローラ様180cm、マイクロ様186cm……負け確じゃんあの2人」
「マジ草www」
「……う、うるせぇ!!」
「身長やギャグセンスくらい、許してくれよ!!」
だが――騒ぎを止めたのは、マイクロだった。
「皆さん……落ち着いてください。任務中です」
場が一気に静まる。
僕は、何かを感じた。
(……ここは確かに、混沌としているけれど……)
(それでも、インフィニティに対抗する“力”を持っている人たちだ)
そう――僕は確信した。
希望は、まだ残っている。
To be continued...




