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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第2章「終わらない戦い」
19/82

第19話「悪夢は帰ってきた…」

第1章 総括


2005年7月20日――

東京都練馬区。

突如として発生した“原因不明のパンデミック”。


人々は、感染すればゾンビ化し、二度と元には戻らなかった。

街は崩れ、炎が立ち、叫びと血の色で染まった。


しかし――その地獄を、生き延びた者がいた。

わずか5人の小学生たち。


その中の1人、山田太一は、後に記者にこう語っている。


「僕達はこの地獄を、生還しました。

学校の地下には、研究所がありました。

そこを作ったのは――インフィニティ過激派組織。

その中には、友達や……祖父までもが含まれていました。

だけど僕達は、決して諦めません。

何があっても――どれだけ裏切られても――

諦めたりはしません!!!」




……だがその言葉は、国にとっては“都合が悪かった”。



---


視点は変わる。深夜のハイウェイ。


大型トラックを走らせる2人の運転手が、会話を交わしていた。


「なあ……聞いたか? 今、俺たちが運んでるガキ共の話」


「……ああ。生き残った小学生だろ?」


「5人のうち、1人は乗ってねぇ。幼すぎて、施設で保護されたらしいぜ」


「……名前、山田太郎だったな。小1だってさ」


「それより、もう1人が気になる。山田太一」


「……あの記者会見の子か。“犯人はインフィニティ”って言ってたよな」


「バカみてえだよな。**証拠もなしに、国家犯罪を告発するなんてさ」」


「……国が悪い。どうせ上層部が全部隠してるんだよ」


「かわいそうに……家族も友達も、何もかも失って……」


車は夜の高速を静かに走っていた。



---


2005年10月27日


大阪府堺市・軍事基地 1階 収容棟


3ヶ月の拘留。


その中心にいるのは――山田太一。


「……また、取り調べですか」


2人の兵士が、冷たく命じる。


「言ったよな、ガキ。証拠も無いのにベラベラ喋るなと」


「逃げ出したらどうなるか、分かってるよな?」


「牢屋には便所も漫画もテレビも風呂もついてる。“特等席”だぜ」


「……ここを出たければ、“本当のこと”を言え」


扉が閉まる。


“国家の都合に合った真実”を言わなければ、自由は与えられない。


それが、“正義の国”のやり方だった。



---


回想の中の地獄


太一は、誰の顔も見ていなかった。


田中も、井上も、小野も、太郎も。


「僕たちがあの日、何を見たのか。

どう生き延びたのか。

誰を……信じて、裏切られたのか……」


何一つ、誰も聞こうとはしなかった。


「なんで……大人は信じてくれないのかな……?」


声は震え、目は潤む。


> 「僕たち子どもが言ってることは、

“本当のこと”じゃなくて、“理想のこと”だと思われてるんだ……」




――そのときだった。


廊下から、足音が近づいてきた。


(誰かが来る……?)


扉のロックが、カチン――と外れた。


現れたのは、1人の兵士。


……だが、その腕には――牙跡。


服は裂け、腕は血に濡れ、目は虚ろ。


「……にげ……ろ……ここは……あぶな……い……」


「えっ……?」


「かん……りしつ……なら……なんとかな……る……から……」


兵士は、そのまま倒れた。


「大丈夫ですか!? しっかりして!!」


だが――


「ヴァアアアアア!!!!」


次の瞬間、兵士の顔が、ゾンビへと変貌した。


「……嘘だろ……」


まさか――再び、感染が……!?


叫ぶ間もなく、太一は全力で走り出した。


また、あの日のように――


悪夢は、まだ終わっていなかった。


いや――


“第2の地獄”が、ここから始まるのだった。


                                 

                  To be continued...

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