第18話「決戦…そしてさよなら」
――爆発まで、残り5分30秒。
G-315が、僕に狙いを定める。
「グルルルル!!! ヴオオオオォォォォォ!!!」
あの巨体が、まるで弾丸のように突進してくる。
「はあぁ!? 嘘だろ!? なんでそんなスピードで――」
そう。
こいつは“第2形態”になったのだ。
さっきとはまるで別物のスピードとパワー。
僕は必死に逃げる。
物陰に隠れてハンドガンを撃つも――
カンッ! カンッ! 全く効かない。
「くそっ……!」
「……カチ、カチ……カチ。」
「嘘だろ!? こんなときに……弾切れ!?」
――爆発まで、残り3分25秒。
心が折れそうになる。
(……終わりなのか? ここで、僕の命も、みんなの希望も……)
だがそのとき。
列車の中から、誰かが駆け出してきた。
「太一!! これをアイツにぶっ放せ!! 絶対だ!!」
田中勇気。
彼の腕には、あの巨大な武器――ロケットランチャー。
「それって……さっきの……」
「ああぁ!! あれだよ。もう使いどきしかねぇだろ。
ここに置いとく。俺は、ここで見届けてやる!!」
「……わかったよ、勇気!!」
重たいはずのランチャーは、不思議と軽かった。
僕はそれを抱え、巨人に向かって――照準を定める。
「じゃあな、巨人……」
ドンッ!!!!!
ロケットが火を噴き、一直線に飛ぶ。
次の瞬間――G-315の頭部に命中。
咆哮もあげられず、その場で崩れ落ちた。
……勝った。
――爆発まで、残り2分32秒。
「よっしゃあーーー!!! よくやったぜ、太一!!!」
田中が叫ぶ。
「うん……ありがとう、勇気」
僕は、震える足で列車に戻る。
ドアの先には、仲間たちが待っていた。
「太一……無事だったか」
井上が声をかける。
「よく戻ってきたな……」
「うん……全員、乗ったか?」
「じゃあ、強制発車ボタン押すね」
ポン。
「ピシューーー!」
扉が閉まる。
列車が、未来へと走り出した。
---
数分後。
ドオオオオオオオンン!!!!!!
地鳴りのような爆発音が、後方から響き渡る。
列車の窓の外には、地面が隆起し、崩れ、火の粉が舞い上がっていた。
……でも、僕たちは生きていた。
「……これから、どうすればいいんだろう」
井上が静かに呟く。
田中が答える。
「すべてを失った今……何をして生きればいい……?」
小野も、しばらく沈黙の後、口を開こうとしたが――
そのとき、僕が言葉を放った。
「そんなの、後で考えればいいんだよ。
今は、生き残ったことを――たくさん祝おう」
井上が、ぽつりと呟く。
「でも……今、何を考えればいいんだよ……?」
僕は静かに、だが力強く言った。
「ぶっ倒すんだよ。
“インフィニティ過激派組織”をな――!!」
車窓の外に、壊れた街のシルエットが過ぎていく。
戦いは、まだ終わっていない。
To be continued...