第17話「みんなと再会…」
――爆発まで、残り7分53秒。
僕と太郎は、北エレベーターを目指してひたすら走っていた。
汗が目に入り、息は切れ、心臓の音が耳の奥で鳴り響く。
「はあ…はあ……どこだよ…北エレベーターって、いったい……」
「みつからないよ……たいちにいちゃん……」
そのとき、前方から誰かが手を振るのが見えた。
白衣を揺らしながら、こちらに駆け寄ってくる――
「太一さんに太郎ちゃん、こっちです!」
「……小野さん!? 小野さんじゃないですか!!」
「みほねえちゃんだっ!!やったー!!」
僕たちはすぐに小野の元へ駆け寄った。
彼女の後ろ、壁際に設置された扉には「北エレベーター」と書かれていた。
「田中さんと井上さんは、先に下に向かいました。
……私たちも行きましょう!」
「はい!」
「うんっ!!いこういこう!!」
僕たちは急いでエレベーターの中に飛び込んだ。
中で「F4」のボタンを押すと、扉はすぐに閉じ、機械音とともに降下が始まった。
「やっと……やっと脱出できる……」
そのとき、小野が静かに口を開いた。
「太一さん……髙橋さんは……どこに行ったんですか?」
僕は、言葉を失った。
答えようとして、喉が詰まった。
小野は僕の顔を一瞥し、すぐに表情を和らげた。
「……言えないことなんですね。……わかりました。」
――爆発まで、残り5分59秒。
「チンッ!」
エレベーターが地下4階に到着し、扉が開いた。
すぐそこに、田中さんと井上さんが立っていた。
「太ちゃん!! 無事だったんだね!!」
「太郎も問題ないな……よかった……!」
小野が手を伸ばし、緊急列車の方を指差す。
「とにかく……全員、列車に乗りましょう!!」
「そうしよう!! そうしよう!!」
僕たちは次々と緊急列車の中へ駆け込む。
照明の灯る無人の列車。ドアは自動で開き、誰もが無言で座席に倒れ込んだ。
……僕は、最後に乗り込もうとした。
その時だった。
――ズズズンッ!!!!!
突然、頭上の天井に大きな穴が開き、コンクリートの破片が辺りに飛び散った。
激しい揺れとともに、何かが、上の階から墜ちてきたのだ。
土煙が立ち込め、視界が霞む。
「なんだ……? 何が……!?」
――でも、僕は察していた。
この空気、この殺気、この――悪夢のような気配。
「……嘘だろ……なんで……お前が……」
煙の中から、ゆっくりと巨大なシルエットが現れる。
目が合った瞬間、背筋が凍った。
姿を見なくても、わかった。
あの咆哮も、あの異様な気配も、何より……あの絶望も。
そこにいたのは――
「G-315」だった。
To be continued