第15話「真相」
「博士!!なんでここにいるんだよ!?」
僕は声を震わせて叫んだ。
すると、あの懐かしい声が返ってきた。
「太一じゃないか…会いたかったぞ。」
「会いたかった? 今はそんな場合じゃないだろ! それに、なんで玲奈と一緒にいるんだ? おかしいだろ!」
Big博士はしばらく黙り込み、やがて口を開いた。
「バレてしまったなら仕方ない。真相を全部話そうか。」
玲奈が冷たく言う。
「真相は言ったほうがいいんじゃないですか、博士。」
博士は薄く笑った。
「そうじゃな…君たちを利用したんだよ。どうじゃったか? ワシが作った“発明”は?」
「何が利用だ!!何が発明だ!! こんなことして許されると思っているのか!?」
僕は怒りに震えながら叫ぶ。
背後から銃口が僕を狙う。玲奈の冷たい声が響いた。
「撃つよ? 博士を殴ったら。」
「くっ……。」
博士は落ち着いて話を続けた。
「ワシが地下に研究所を作った目的はいくつかある。
一つ目は、若様に頼まれたからだ。」
「若様って誰だ!? 教えろよ、博士!!」
また背後から銃を向けられた。玲奈が吐き捨てるように言う。
「騒がないでくれない? クソガキ。」
博士は静かに語った。
「二つ目は、ワシが作ったペットを増やすこと。
そして最後は、ワシの利益を高めることだ。
表は平然としているが、裏は恐ろしい場所だよ。」
僕は拳を握りしめて、悔しさをかみしめた。
「くっ……!!」
「玲奈、銃を下ろしてくれんかのう?」
玲奈はため息をつき、銃をゆっくりと下ろした。
「博士……博士はそんな人じゃなかったはずだ。」
博士は嘲笑うように言った。
「騙す人より、騙される方が悪いんじゃよ、ハハハ。」
玲奈は冷たく笑った。
「本当に惨めで、情けないわね、太一君。」
「そういえば、日佐知香君はどうなったんじゃ?」
「日佐知香なら、もう脱出したらしいですよ。」
「そうか、あの子は天才だからな。」
玲奈は言った。
「私たちもここから脱出しましょう。」
二人は急いで足早に歩き、エレベーターに乗り込んだ。
「おい!!待てよ!!……くそ!!なんで博士まで敵側なんだよ!!?」
その時、例の部屋の中から大きなうめき声が響いてきた。
「グルルルル……。」
僕は思わず顔をしかめた。
「はぁあ? 今度は何だよ……。」
まさか、あんな奴と戦うことになるなんて――。
――To be continued