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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第1章 「全ての始まり」
13/82

第13話「発覚」

僕たちは、太田の遺言を胸に、さらに地下へと進んだ。

重く静かな空気の中、やがて僕たちの前に白く輝く建物が現れた。


「本当に……これが研究所なのか、翔?」

田中が訝しげに建物を見上げながら問う。


「うん。たぶん、だけど……間違いないと思う。」

井上は頷きながら、かすかに顔をしかめた。


「とりあえず、入ってみようよ。」

高橋が前を見据え、意を決したように言った。


「……あぁ、そうだな。」

田中もうなずくと、6人は重々しい扉を押し開け、建物の中へと足を踏み入れた。


内部はまさしく「研究所」そのものだった。

無機質な壁に囲まれ、無数の部屋が並び、階段とエレベーターまで完備されている。

まるで、人間の理性と狂気が混在した、そんな不気味な静寂が漂っていた。


「すごい!!すごい!!」

太郎は目を輝かせながら走り回る。


「……完全に研究所じゃん。」

高橋が呟いた言葉に、小野も静かに同意した。


「そうですね……。」

彼女の声にも、わずかに緊張が滲んでいた。


「部屋が多すぎる。手分けして調べよう。」

井上が提案し、太一もそれに賛成した。


「うん、そうしよう。」


6人は二手に分かれ、探索を始めた。

太郎は小野さんとペアを組み、僕は1階の部屋を一つずつ確認していった。


だが、いくつ調べても何も見つからない。ただの空き部屋ばかりだった。

――諦めかけたその時だった。

最後に残った一室の隅に、埃をかぶった1台のパソコンが置かれていた。


「……これだけ、様子が違う。」


電源を入れると、パスワードの入力は求められなかった。

簡単にホーム画面へと辿り着いた。

そこには、1つだけぽつんと存在するファイル。


《研究発表》


マウスをクリックすると、ダウンロード済みの資料が自動で開かれる。

そして、モニターに表示された内容を、僕は息を呑みながら読み進めた。



---


「研究発表」


1970年5月27日

この度「インフィニティ過激派組織(IN)」は、

生物や人間をゾンビ化させる開発に成功しました。


1.「ゾンビ」

人間がウイルスに感染した姿。集団行動で襲ってくるのが最大の特徴。


2.「D-41」

犬がウイルスに感染した姿。異常なスピードで接近し、一瞬で噛みつく。


3.「C-97」

ゴキブリが感染した姿。毒液を発射しながら突進してくる。


4.「C-257」

カメレオンが感染し巨大化。一定時間透明化し、姿を現した瞬間に攻撃。


5.「G-180」

ゴリラが感染した姿。爆発以外の攻撃がほとんど効かない、凶暴性を極めた存在。


6.「G-315」

人間が感染し巨大化した姿。極めて凶暴で、第2形態を持つ。


以上で「研究発表」を終了とします。



---


モニターは暗転した。

僕は、しばらくその場で立ち尽くしていた。

信じられない――

「インフィニティ過激派組織」……あの“マイアミ事件”を引き起こした張本人たち。


「……まさか、ここがその研究所……?」


恐怖と混乱が一気に押し寄せた。

僕は慌てて他の5人に通信を入れる。

だが――


「……っ!?玲奈だけ、繋がらない!?」


どういうことだ!?なぜ高橋だけ……?


「まずい……っ!」


僕は勢いよく椅子を蹴って立ち上がると、部屋を飛び出し、玲奈の捜索に走り出した。


彼女は今、どこに――?


          To be continued


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