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IN:銀河より遠い∞世界  作者: 普通の人/3時のおやつ
第1章 「全ての始まり」
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第11話「罠」

超巨大クモが唸り声のような奇声をあげながら、こちらに襲いかかってきた。


「プシャーーー!!」


突如として、あいつの腹部から何かが発射された。反射的に身を捩って回避する。


——糸だ。しかも尋常じゃない量。


「おい嘘だろ!!こんな量の糸を発射してくんのかよ!!」


空気を裂いて飛んでくる白い束。僕はギリギリのところでそれをかわし、地面を転がるようにして距離を取った。張り詰めた糸が壁や床に突き刺さり、あたりの空間はまるで蜘蛛の巣に包まれたようになる。


(こいつ、普通じゃない…どうすりゃいいんだ…)


次の攻撃を予測しながら、僕は必死に考える。逃げ場は限られている。このままではジリ貧だ。


ふと、背後に視線を向けたとき、そこに小さな水溜りがあるのを見つけた。


その瞬間、頭の中で電流が走る。


(そうだ!!思い出したぞ!!クモの弱点!!)


クモの一部は、水に弱い。濡れると動きが鈍くなり、体が縮む——生物図鑑で読んだ知識が蘇る。


「やるしかない…!」


僕は水溜りの前に腰を下ろし、両手で水をすくって、できる限りの力で超巨大クモに向けて水を投げつけた。


飛び散る水が、奴の脚や胴体にかかる。


するとどうだろう。あの化け物は、まるで電気を流されたようにビクッと身を震わせ、ゆっくりと体を縮め始めたのだ。


「効いてる!!」


すかさず僕は立ち上がり、震える手でハンドガンを構える。


「これで終わりだ!!」


「バン!! バン!! バンバンバンバン!!!!」


トリガーを引きまくった。何発も何発も、クモの頭に弾丸を撃ち込んでいく。


やがて、クモの体が大きく仰け反り、ゆっくりと崩れ落ちた。


……動かない。


息を殺し、しばらくその場に立ち尽くした。ようやく、静寂が戻る。


「……とりあえず…集合場所に…戻ろ…。」


疲労に足を引きずりながら、僕は大きな穴を抜け、元来た道の入口へと歩き出した。


この戦いは、ほんの序章にすぎない。


               ――To be continued.


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