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あの夏の  作者: 緑茶猫
7/8

向日葵

しばらく陽向に抱えられながら進んでいると周りの空気が少し涼しくなる。近くから川のせせらぎも聞こえてくる。迷路のように入り組んだ向日葵畑を進むと小さな泉が見えてくる。泉の中心には小島がありその小島にガゼボ(西洋風の東屋やあまずやを意味する言葉)がある。だが、ガゼボに行くための橋や道は無い。すると陽向がジャンプする。小島までの距離は人間が越えられそうな距離ではないのにもかかわらず、小島にうまく着地する。

「ねえ、お兄さん人間?」

金華が尋ねるが陽向は何も答えずに金華を降ろし、お茶の準備がされているテーブルに向かうと、長椅子に近づき座る場所を上に開く。どうやら椅子が収納具の役割を持っているタイプだったようだ。中から瓶を取り出し机にあったコップに注ぎ入れ金華に差し出す

「とりあえず、お水どうぞ。」

金華は受け取り水を飲む。少しだけ、落ち着いた。落ち着いたことにより一つ思い出したことがある。

「ねえ、お兄さん。聞いてもいい?」

陽向は金華を真っ直ぐな瞳で見つめる

「あのね、お兄さんに双子の兄弟、姉妹っていた?」

すると陽向は遠い何処かに笑いかける

「うん、居たよ。60年前くらいにね。」

金華は驚くこともなく聞き続けている。

「へえ。お兄さんは妖怪か神様?」

「うーん。違うかな僕は、神様の使いかな」

金華は次の言葉を紡ごうとした瞬間、水面が揺れ始める。最初は小さな揺れだったが、次第に揺れは大きくなり、先ほどまで太陽の方を向いていた向日葵が一斉にガゼボに向く。すると向日葵は一気に枯れ項垂れ朽ちていく。あまりにも不気味なその減少に恐怖以上よりも本能的が逃げろと告げる。現状を考えれば何処に逃げろというのだろうか。気がつけば日が落ちガゼボが影を成す。そしてその影から一輪の秋明菊が咲く。その秋明菊は蔦が3mほどの人の身体の形を取る。そして人の頭の部分は大輪の秋明菊が咲いている。

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