遺跡の塔
公都まで依頼者を護衛した後リアナ達は老人と別れを告げてエルフとドワーフが建てたと言われる遺跡へと向かった、遺跡に着くと大きな門があったがリアナ達は開けることが出来ず何処か他に入る場所が無いかと遺跡の周りなどを調べていく。
ざっと遺跡の周りを一周するが入れそうな場所は見つからなかった。
「入り口はやっぱり門しかないのかな。」
「、、、もう一回調べるしかないわね。リスティさんとアルフとレティシアはさっきの大きな水路から中に入れないかを調べてみて。ネフェあんたはレティシアについていくのよ。」
アイリーンがネフェを撫でながらそう言うとネフェは理解してレティシアの近くに行く。
「アイリーン、俺たちはどうするんだ?」
「そうね、私達はもう一度遺跡の周りを調べてみるわよ。」
リアナ達は二手に分かれるともう一度遺跡へと入れる場所を探す。リアナとアイリーンとカイルとリリアンは今度はじっくりと遺跡の周を調べて回るがそれらしい場所は見つからなかった。
「それらしいのなかったね。」
「どうするんだ?アイリーン。」
「ひとまずレティシア達と合流すしかないわね。」
「了解ヨ!」
リアナ達は水路に向かいリスティ達と合流した。
「リスティさん!入れそうヨ?」
「普通に入るのは無理だね、他の場所よりはもろそうだったけどね。」
「、、、、、、皆、下がってなさい!」
「どうするの?アイリーン。」
「ストーンの魔法を水路の壁に放ってみるわよ!」
その一言を聞いたリアナ達は後ろに下がるとアイリーンが魔法を唱えた。大きな岩が杖先から具現化するとその岩が勢いよく水路の鉄格子の周りの壁に当たって砕けると壁が少し崩れた。
「この様子なら行けそうヨ!」
アイリーンが数回威力を調整しながらストーンの魔法を放つと人が通れる程に壁が崩れた。
「やったわね、、。危ないかも知れないから気を付けて通りなさいよ。」
「ああ、俺から行くぜ!」
カイルを先頭に水路の中にリアナ達は入って行く。暫く進んでいくと大きな蛇が大量にいる場所にたどり着く。蛇が苦手なレティシアは体中に寒気が走るのを感じた。
「ライトニングの魔法で一掃するわよ!皆、水際から離れてなさい!」
アイリーンは意識を集中してライトニングの魔法を蛇達が蠢く水路に放つと強力な電流が流れて蛇達は動かなくなった。
「ここを通らなきゃならないのですね、、。」
「もう襲われることはないわよ。」
「はい、、。」
生理的に受け付けない蛇達の死体を堪えてレティシアは通った。それから暫く水路を歩くと行き止まりになり梯子が目に付く。
「上に行けそうだね。」
「アルフ俺が先に上るぜ。」
「気を付けて、カイル。」
「ああ!」
梯子を上り上の階に上がるとカイルは辺りの様子を伺い安全を確かめて下のリアナ達に上がるように促す、リアナ達全員が上に昇ると一行は狭い上の部屋のドアを開けて出た。出た先にリアナ達を待っていたのは高い塔の内部とそこにいる巨大なサイクロプスだった。
サイクロプスはリアナ達に気付くと先頭に居たカイルを踏みつけよようとする。カイルは横に飛んで何とか踏みつけられるのを逃れる。
「レティシア!ネフェ!あんた達はさっきの部屋に入ってなさい!」
その言葉に戸惑っていたレティシアの服をネフェが引っ張りるとネフェはレティシアと共に出てきた部屋に戻って姿を隠した。
サイクロプスはリアナ達を踏みつけようと暴れるがリアナ達は何とかそれをかわして足に切りかかる、しかしサイクロプスにはほとんど効果がなかった。
「こっちの攻撃は効かないのかよ!」
「私の一撃もほとんど効いてないヨ!」
塔の上に上る梯子をみたリアナが言った。
「皆!この魔物の注意を引きつけて!」
「どうする気だ?!リアナ」
「上から頭を狙ってみる!」
「分かったわ!!皆!目を閉じなさい!あいつの目を眩ませてみるわ。」
そういうとアイリーンはサイクロプスの目の前に眩しい光を放った。サイクロプスは強烈な光を目に目を眩ませる。
「リアナ!今よ!」
アイリーンがそう言うとリアナは急いで梯子を登った。視力が回復したサイクロプスはアイリーンを踏みつけようと足をあげる。アイリーンが踏みつけられそうになるとリスティがアイリーンに飛びついて何とか踏まれるのを防ぎサイクロプスの目に目掛けて数本の投げナイフを投げた。
サイクロプスの一つ目にナイフが突き刺さると苦痛に身をよじらせる、その隙に梯子から上に登っていたリアナ剣の先を下に向けて
雷の魔法を強く込めてサイクロプスの頭上目掛けて飛び降りた。剣はサイクロプスの頭に突き刺さり電流がサイクロプスの頭に流れるとリアナは頭から飛び降りた。
「これがとどめよ!」
アイリーンが追い打ちでサイクロプスの頭にスパークの魔法を唱えると落雷が頭上に突き刺さった剣に落ちてサイロプスは黒焦げになり前のめりに倒れた。
サイクロプスを倒すとアイリーンはレティシア達に安全を伝えて塔の内部で顔を合わせた。塔の内部の様子を見ていたリスティが言った。
「皆!こっちの部屋に色々な物があるよ!」
「行ってみようぜ!」
リアナ達がその部屋に行くと大量の金銀財宝と魔法の品と見られる武具が見つかった。
「他の場所をしらべてみる?それともこのまま財宝を持ってもどる?」
「そうね、サイクロプスの牙とこの武具を持って魔法の品を武具屋で鑑定してもらったほうがいいと思うわ。」
「いい武具だったらいいけど。」
「ナックル系の装備もあるヨ!楽しみヨ!」
魔法の武具と持てるだけの財宝を手にしたリアナ達は公都へと戻ることにした。
つづく