マダック公爵領に向かって
クーレンド王国の王都でマダック公爵領に行きたいという初老の男性の護衛の依頼を受けたリアナ達は王都から公爵領内へと向かって進んでいた。道中、草深野を進んでいたリアナ達はネフェが何かを警戒しているのを見て武器を手にゆっくりと辺りを警戒いしながら進んでいく。
ネフェがうなり声をあげると前から草を分ける音がして数体の大きな鶏の顔を持つ魔物が姿を現した。
「コカトリスよ!毒に気をつけなさい!」
アイリーンが皆に注意を呼び掛けるとコカトリス達はリアナに達に毒液を吐く、カイルはそれを盾で防ぎリアナとリリアンはそれをかわして反撃した。
コカトリスの一体がレティシアに向かって毒液を吐こうとするとその様子に気づいたネフェがコカトリスの首に噛みついた。ネフェはコカトリスが絶命するまで力を緩めることなく首に喰らい続けた。数体のコカトリスを撃退したリアナ達は辺りの様子を伺かがった。
「もういないか?」
「多分、ネフェはもう警戒してない。」
「もう少し用心したほうがいいヨ、リアナ。」
「うん。」
辺りを少し探ったリナア達は魔物が居ない事を確認して一息つくことにした。自分の身を守ってくれたネフェにレティシアが頭を撫でながらお礼を言うとネフェは喉を鳴らしてレティシアに擦り寄った。
「皆さん、本当にお強いですな。いやいや助かりますぞ。」
「オッちゃんはマダック公爵領にどんな用があるんだ?」
「私は友に会いにいこうと思っておりますぞ。」
「オッちゃんは公都にどんな遺跡があるか知ってるか?」
「ほっほっほ、私はこの国の生まれではありませんが遥か昔まだこの地に多くいたエルフとドワーフが魔物達や魔族に対抗する為協力して作りあげた要塞の跡地と聞いておりますな。」
「エルフにドワーフね。アルティア教会の伝承でしか知らないけどアルフの剣を見ると本当に存在していたようね。」
「ほっほっほ、お嬢さん。噂では今もこの大陸の何処かにエルフとドワーフは住んでいるといわれてますぞ。」
「エルフにドワーフ。生きているのなら一度見てみたいヨ!」
「エルフは男も女も美しいそうだね。アタシも一度会ってみたいね。」
「ほっほっほ、そうでしょうな。」
「なあ、アルフ公爵領まであとどれくらいだ?」
「うん、この草深野を抜ければすぐそこだよ。後半日くらいかな。今日はこの辺りでキャンプを張ろうか。」
「おう!」
「ここには野生の動物も多いようだからキャンプを張ったらボクはネフェと狩にいくよ。皆は休んでいて。」
「悪いな、アルフ頼。」
「私は猪がいいヨ、ネフェよろしくヨ!」
「ニャーン!」
キャンプを張り終えるとアルフとネフェは狩りに出かけ、リアナ達は火を囲んでいた、不意にレティシアがリアナ達に言った。
「皆、本当に一緒に来てくれてありがとうございます。」
「レティシアは王女様ヨ!それにバイロン様は私達皆の恩人ヨ!気にしないヨ」
「その通りよ。皆自分の意志で同行してるんだからいいのよ。」
「うん。私達は王国に仕える身だけど皆レティシアの友達でもあるよ。それにレティシアの神聖魔法で救われてるよ。」
「ああ、レティシアがいなかったら俺ももう死んでいた時があったと思うぜ、ありがとうな!レティシア」
「ほっほっほ、皆さんは固い友情で結ばれているようですな。それにしても王女様とその騎士達が何故冒険者に?」
「私達は父の病を治すため聖杯とドラゴンの血を求めています。」
「そうですか、、、、しかし聖杯は何処にあるか分からないようですな。仮に見つけたとしてもアルティア教会が聖杯を使うこを許すかどうかも疑問ですぞ。」
「聖杯が見つかり次第父をアルティア教国に父を連れてお願いしてみるつもりです。」
「そうですか、いや分かりました。皆さんの願いが叶う事を願います。」
リアナ達が話をしているとアルフとネフェが鹿を狩り帰ってきてその日の夜りナア達はアルフが作った鹿料理を食べて休んだ。
つづく