精霊使い様
公都から蛮族達が潜むという東の森に入ったリアナ達はアルフとネフェを先頭にして慎重に進んで行った。途中ネフェの動きが止まり
匂いを嗅ぎだす。その様子を見たリアナ達は武器を手にしてさらに警戒して先に進んでいく。
さらに少し進むとネフェが何かに威嚇して声をあげた、草木が揺れたかと思うと腰巻と粗末なグレートソード持つ体の大きな男達がリナア達の前に姿を現した。
「キサマラデテイケ!!」
「ココハシンセイナバショ!」
「少しは言葉を喋れるようね。誘拐した公妃様達を返してもらうわよ!」
「デテイカナイナラ、オマエタチ、ユルサナイ!!」
そう言おうと蛮族の男たちはリアナ達に武器を手に叫び声をあげて飛び掛かってくる。リアナは剣に雷の属性の魔法を送ると蛮族達を死なせいように軽く剣を充てる様に蛮族達に振るうとリアナの魔法剣を受けた蛮族達は電流を受けて気絶した。
カイルも蛮族達を死なせないようにシールドバッシュで蛮族達を戦闘不能状態にするとアイリーンが残りの蛮族達にバインドの魔法をかけて蛮族達が身動きできないようにした。
蛮族数十名を縄で縛って拘束すると起きた蛮族達に公妃と子息のいる場所まで案内する様に言った。蛮族達はそれに従い自分達の住む場所へとリアナ達を連れていく。
30分ほど歩くと蛮族達の住む集落にたどり着く、仲間を捉えられていた事に気づいた集落にいる蛮族達がリアナ達の周りを囲んだ。
数名の蛮族がリアナ達に襲い掛かって来るとアイリーンは素早くスリープの魔法を使い蛮族を眠らせた。その様子を見ていた蛮族達は驚いて言った。
「ヒトヲネムラセタゾ!」
「スゴイ!セイレイツカイサマダ!!」
そう言うと蛮族達は武器を置いてアイリーンの周りにきて崇めだした。
「なによ!?急にどうしたのよ?!」
「アイリーンを神聖視したようヨ!!」
「セイレイツカイサマ、ドウカ、ゾクチョウサマノモトエ!」
蛮族達に案内されて集落の中に入り族長のもとへと向かうと一人の老人の元へと案内された。
「ゾクチョウサマ、セイレイツカイサマ、ミツケタ!!」
「ホントウアカ?セイレイツカイサマ、ドウカ、オチカラヲ、オミセクダサイ!」
「お力って魔法を見せろってことよね、、、、、。それなら火を起こしたい場所はある?」
「ハイ、ドウゾ、コチラエ!」
集落の中央に案内されるとアイリーンは焚火をする場所に魔法で火をつけた。
「キセキダ!セイレイツカイサマダ!!」
「セイレイツカイサマ、ドウカ、ケガヲオッタムスコタチヲ、オタスケクダサイ。」
「しょうがないわね。レティシア、カイル、神聖魔法をお願い。」
怪我を負ったという蛮族達の元に行くとレティシアとカイルはヒールの魔法を使い傷を癒した。
「!?セイレイツカイサマダ!!セイレイツカイサマ、サンニンモ!!」
「このまま行けば公妃様達を救えるんじゃねえか?」
「族長に掛け合ってみましょう。」
リアナ達は族長の元へ行くと公妃達を解放するように言った。族長はそれに従って公妃達を連れて来る。族長に何故二人をさらったのか聞くと族長は神聖な場所に入り汚したためと答えた。
その言葉を聞いたリアナ達は公妃達ににも話を聞くと、護衛の兵士達に連れられた事を聞いた。
「その兵士達に事情をきく必要があるわね。」
「うん、公都に戻ろう。」
「族長さん、私達はお二人を連れて帰ります。そしてこの集落を侵さないように進言します。」
「アリガトウゴザイマス、セイレイツカイサマ、マタイツデモ、キテクダサイ」
集落を出て森を歩くと公国の兵士がリアナ達の元へやって来た。
「、、、、、あんた達ね?公妃様を護衛してたというのは。」
「余計な事をしてくれたな。ここで全員消えてもらうぞ!」
「どういうことかわかんねえけど。お前ら覚悟しやがれ!」
兵士達が剣を抜くと戦闘になり、リアナ達は兵士達が死なないように手加減しながら倒すと兵士達を捕縛して話を聞いた。
「何故、公妃様達を蛮族達の元へとつれだしたのですか?」
「大臣の命令だ。」
「どうして大臣が?」
「大臣は公王と親族を消して自分が公国の実権を握るように画策しているのさ。」
「あんた達には公王様と大臣の前で自白してもらうわよ!」
「わ、わかった。」
兵士達を連れて公都の謁見の間に来ると大臣は驚き、公妃と息子が無事に戻ったことに公王は喜びリアナ達に礼を言うと捕縛した兵士達を見て言った。
「その者達は??」
「正直に話しなさいよ。」
アイリーンがそう言うと兵士は公王と大臣の前で大臣からの命令で蛮族達の元へ公妃達を連れて行った事を話した。話を聞いた公王は大臣に問い詰めようとすると大臣は短剣を手に王妃を人質にとり言った。
「そこを通してもらうぞ!!」
大臣がゆっくりとリアナ達の方を見ながらゆっくりと謁見の間を出ようとする。大臣が一瞬他所の方向を見るのをリスティは見逃さななかった。リスティはその一瞬で投げナイフを大臣の短剣を持つ手に向かって投げた投げたナイフは大臣の手に刺さった。
もう片方の手でナイフの刺さった手に手を添えて痛がる大臣から王妃が逃げると大臣は衛兵達に取り押さえられた。大臣が牢屋に送られると公王はリアナ達に礼をいった。
「ありがとうございました。皆さん約束通りクーレンド国王への手紙を渡しましょう。」
「ありがとうございます。」
「他に報酬を渡しましょう。」
「それなら一部をこのリスティさんへ。残りは東の方々達の為に使われたらいかがでしょうか?」
「蛮族の為にですか?!」
「はい、東の森に住む方々は文明レベルが低くて劣悪な環境にあります。無理にとは言いませんが出来ればお力をお貸してあげてください。魔術師や神聖魔法を使える方が一緒なら受け入れてくれると思います。」
「分かりました。検討してみましょう」
そして公王からの報酬と手紙を受け取るとリアナ達は公都の宿屋へと向かった。
「森に潜む人たち純粋そうだったね。」
「そうね。この国の大臣の様な策謀や権勢欲はなかったわね。」
「何にしても解決してよかったな!」
「次は目指せ!クーレンド王国ヨ!!」
「そうですね。明日クーレンド王国へ出発しましょう」
つづく