領主との謁見
港町に無事帰還したリアナ達は冒険者ギルドに迷宮の魔物達を倒した事を報告する。すると直ぐにギルドの職員が迷宮に向かう事になった。依頼完了が受理するまでリアナ達は港街の宿屋に泊まることをギルドの職員に伝えて宿屋で休んだ。後日迷宮のモンスターが退治された事が確認されて職員がリアナ達の元に来ると一緒に報酬を受け取りにいった。
ギルドに着くと支部長が出迎えていた。
「よくやってくれたね。報酬なんだけどとりあえず金貨100枚だよ。間違いないか確認して。」
お金などを管理するアルフが渡された金貨の入った袋を受け取ると数える。確かに金貨が100枚あることを確認するとリスティが支部長に迷宮で見つけた財宝の一割はどうなったか聞いた。
「君たちが奴隷商人から子供達を救ってさらに施しを与えたことや今回の依頼を達成した事を受けて君たちをとても気に入ったようで報酬は直接手渡したいそうだよ。早速行ってみたらどうだい?名前や登録番号は伝えてあるよ。場所は地図に記そう。」
「ありがとうございます。支部長さん」
「奴隷商人の件では本当にたすかったわ。ありがとう支部長さん。」
アイリーンとレティシアが礼を言うと地図に領主の居る館の場所を記して貰い支部長に勧められた通り、リアナ達は館に向かう為ギルドを後にした。街の西にある館に辿り着くと門番が立っている。
「ここはエラル様のお屋敷だが何用か?」
「私達は迷宮の依頼を受けた者達です。」
「名前と冒険者の認識票を見せなさい。」
言われたとおりリアナが代表してフルネームとドッグタグを門番の一人に見せる。
「確かに。ではご案内します。ついてきてください。」
門番に連れられて領主の居る執務室の前までくると案内してくれた門番がドアをノックする。すると中から女性の声が返事をした。
「何用か?」
「エメル様、依頼を果たした冒険者の一行が来ております。」
「分かった。入るように伝えて。」
「皆さんどうぞ」
リアナ達が入って行くとそこには長い金髪の女性が座っていた。レティシアが最初に挨拶した。リアナ達もそれに続き挨拶すると金髪の女性は椅子から立って挨拶して自己紹介をした。女性の名はエメル・ルイーズといいこのトラアム公国の女伯であることをリア
ナたちに伝えた。リアナ達は自分達の素性を正直と目的を話した。レティシアがアルテナーハ王国の王女である事を知ったエメル言った。
「アルテナーハ王国のバイロン陛下が倒れ、セリグ殿下が王に即位したことはお聞きしてましたが、まさか陛下のご息女であらせれる方が冒険者になるとは。このエメル、レティシア様のバイロン様への思いに心服いたしました。私に出来ることがありました何なりとお申し付け下さい。
「ありがとうございます。ルイーズ伯、それなら聖杯について知っている事はありませんか?」
「聖杯ですか?教会からの昔話で聖地で所在不明としか聞いたことがないですね。」
「そうですか、、。ありがとうございます。ルイーズ伯」
「レティシア様、報酬についてですが、、、、、。」
「それはこのリスティさんに渡してください。」
「は?はい、分かりました。聖杯についてですがトラアム公王陛下に何か情報がないか謁見できるように私から手紙を書くことも
可能ですが。いかが致しますか?」
「ぜひお願いします!ルイーズ伯!」
「それと見つけた剣と鎖帷子ですが、どうやら物凄く価値のある物の様なので皆さんの旅に役立ててください。衛兵!例の者をお持ちしろ。」
報酬と装備をと手紙を貰ったリアナ達は館を後にした。
「この鎖帷子と剣、物凄く軽いな!」
「リアナかカイルが装備するのがいいですね。」
「いや、不格好かもしれないがレティシアがこの鎖帷子を身に着けてくれ。」
「うん。私達は自分に見合う装備を持っているからレティシアが少しでも安全になれば安心だね。」
「二人とも、、、、ありがとうございます。」
「剣はどうすんのよ?」
「アルフ、お前が持て!」
「え?ボクが?!」
「ああ!レティシアの安全を守る為だからな。」
「う、うん。分かった。」
「お腹すいたヨ!何か食べるヨ!」
「んふふ~!今日は稼げたし私が奢るよ!」
「おう!リスティさん。頼む」
「それは楽しみね。ねえ?ネフェ。」
「ニャー!」
その日リアナ達は港街の高級な食事どころでお昼を食べると宿屋に戻った。
つづく