迷宮にて
港街の領主とギルドからの依頼である迷宮の魔物退治に来たリアナ達は迷宮の入り口らしき所にたどり着いた。
入り口に入る前にレティシアが神聖魔法のホーリーシールドの魔法を唱えると一行の体は光に包まれた。
ホーリーシールドの効果は敵の属性魔法や攻撃を和らげる効果のある神聖魔法でアルティア教会でも高位の神官しかつかえない魔法だった。
カイルもこの神聖魔法を使えるがレティシアのそれの方が効果が上な為にレティシアに任せた。
そして中に入るとアイリーンが辺りを照らすライトの魔法を唱えて先に進んだ。カイルを先頭にしてリアナ、リリアン、アルフ、リスティ、ネフェとレティシアの順で狭い道を歩いた。途中数体のゴブリンと倒して一行は奥へと進んでいく。奥へと進むと地下に続く階段を見つける。
「久しぶりの迷宮だね。」
「私達はモンスターのいる迷宮って初めてヨ!」
「そうかい、気を付けながら進んだほうがいいね。」
「このまま狭い通路だと魔法も使いずらいわね。」
、
「とりあえずこのまま降りてみようぜ!」
「カイル、あんたが一番危ない役割なのよ?気をつけなさいよ。」
「任しとけ!」
「リアナもリリアンも気をつけてください。」
「ありがとうヨ!レティシア!」
「レティシアには指一本も触れさせないよ。」
地下一階に降りるて道なりに進むとドアがあった。ドア開けるとそこには大量のスケルトンとゴーストそして幾つかの宝箱があった。リアナ達を見たスケルトン達が襲い掛かって来る。
リアナは剣に炎属性の魔法を込めてスケルトンに切りかかりアイリーンは格闘術で骨を砕くようなに重い一撃を加える。カイルは盾で攻撃を防いで凌いでいた。
アルフは弓を背中に下げるとレティシアの身を守るためにブロードソードを構える。リスティはククリを手にして近づいてくるゴーストを見て言った。
「こいつらに攻撃は通用しなさそうだね!」
ネフェもレティシアの前に立って近寄ろうとするゴーストを威嚇していた。ゴーストを警戒するリスティ達にカイルが言った。
「ホーリーシールドの加護があるゴーストに憑りつかれる事はないぜ!」
「なら放っておくのかい?!」
「ああ!レティシア!バッニシュの魔法を頼む!!」
「分かりました!カイル。」
レティシアがアンデット達を浄化する神聖魔法バニッシュを唱えるとスケルトン達はバラバラになって崩れ落ちてゴースト達は消えた。戦闘が終わるとリスティがリアナ達の戦いぶりに驚いて言った。
「アンタ達本当に凄いね、、、さすが一国の王女を守る騎士達だね。」
「まあな!」
「宝箱が一杯あるわね。」
「それはアタシに任せておきなさい!」
「お願いよヨ!リスティさん。」
全ての宝箱の中身を空けると鎖帷子と一振りの剣と宝石が大量に見つかった。
「とりあえず大量にあるから中身は後で来るギルド職員か兵士達に回収してもらった方がいいわね」
「今取れないのが残念だね。まあいいわ。後のお楽しみだね。」
宝箱の中身をそのままにして去ろうとした時カイルが一室の奥にある小さな銅像を見つける。
「リスティさん。コレなんだ??」
「どれどれ?」
リスティが銅像にふれた瞬間に強い光がリアナ達の目を眩ませた。次の瞬間別の部屋にワープしていた、ワープしたその部屋はドアがなく密室に思えた。
「どこに来たんだろう??」
「分からないわ。トラップかしら?」
「面目ないわ、、部屋の様子を気を付けて見てみるわね。」
「少し不安ですね。」
「大丈夫ですか?レティシア様」
「ええ、ありがとうございます。アルフ。」
「何か壁にボタンがあるぜ?」
「リスティさん、今度は大丈夫?」
「調べてみるわ。皆も何かないか探してくれる?何か見つけたら触らず報告して。」
一行は部屋を調べるがボタン以外何も見つからなかった。
「、、、、、もう、押すしかないわね。」
「誰が押すの?」
「俺が押すぜ!!それでいいか?」
「お願いするよ。カイル。」
カイルがボタンを押すと床の落とし穴が開き一行は下へと落ちた。
「いてて。」
「ちょっと!カイル罠だったじゃないの!」
「何だよ!もう押すしかないわねって言ったのはアイリーン、お前だろ?!」
「皆さん。、、、、、、。」
周りを見てみると広い部屋の中央に落ちたらしく前方には玉座ひと際大きく厚手の鎧を身に着けたオークが座り周りにはローブを着たオークが二体いて後方にも武装したオークが大量にいた。
「後ろのオークは私の魔法に任せなさい!!」
アイリーンがそう言うとリアナ達は素早く身構えて前方のオーク達を警戒した。アイリーンは後方の敵の前でファイアウォールの魔法を使った。
炎の壁が作られて後方の武装したオーク達から攻撃されるのを防ぐと続けてエクスプロージョンの魔法を唱えて後方のオーク達は爆発に巻き込まれ吹き飛ばされた。
前方にいたローブを着たオーク2体は杖をかざして魔法を唱えようとするそれに気づいたアルフがオークの一体に素早く矢を射って眉間を貫いたがもう一体のオークがファイアーボールの魔法をリアナ達に目掛けて放った。
7人の中央辺りに着弾したファイアボールを受けてリアナ達とネフェは倒れた。ホーリーシールドの効果がありファイアーボールは致命傷にはならなった。玉座に座っていた大きなオークがレティシアに近づいていく。火傷の痛みに耐えながらリアナは体を起こす。
「レティシアに触れるんじゃない!!」
リアナはソニックスラッシュをオークに目掛けてはなつ。ソニックスラッシュが大きなオークの腕を切り裂くと大きなオークはのたうち回った。起き上がったリアナにオークの魔法使いがリアナにファイアーボールの魔法を唱えようとする。
「させるかよ!!」
身を起こしたカイルが盾を構えながら魔法使いのオークに突進していくとオークの魔法使いは標的をカイルに移してファイアーボールを唱えた。
カイルは盾を構えてファイアーボールの一撃を受けるがそのまま魔法使いのオークに突進していくと盾でオークの魔法使いに一撃を見舞い倒れたオークの胸にブロードソードを突き下ろす。オークの魔法使いを倒すとカイルはそのまま倒れた。
片腕を切り落とされたオークは怒り狂って片腕で剣を手にするとリアナに振るっていく。それを全て剣で受け流してリアナは雷の属性の魔法を剣に込めて厚手の鎧に剣を振るった。剣を受けた大きなオークは体中に強力な電流が流れて倒れた。倒れた大きなオークの首をリアナは跳ねた。
リアナはレティシアが無事そうなのを見ると自分を庇って倒れたカイルの元に向かった。起き上がったアルフは倒れているレティシアに近寄り声を掛けるとレティシアは重症を負ったカイルに気が付きアルフと二人で駆け寄っていく。アイリーンとリリアンとリスティも起き上がるとカイルの方に駆け寄った。
「あんた、、、無茶して!」
「でもお陰で魔法使い倒して皆助かったヨ!!」
「カイル、、、、」
「何だよ、、、、お前ら、、そんな顔すんじゃね、、よ。」
「今ヒールの魔法を使います!!」
お
レティシアが回復魔法を唱えるとカイルのやけどは治っていくが一度では完治せず何度もカイルにヒールを使った。カイルがよくなって起き上がるとレティシアは言った。
「カイル、本当に良かったです。」
「ありがとうな。レティシア。皆も火傷を負ってるな。」
「ネフェも大丈夫?」
「、、、、フニャーン、、、。」
ネフェを含めた全員にカイルとレティシアがヒールを使うとリアナ達は自分たちが何処にいるかを把握するため再び迷宮を歩きだした。
つづく