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輝冠摂理の神生譚 ~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指す!~  作者: G.なぎさ
第二章 天上神界を覆う不穏編
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――第26話ー① 緻密の和風惑星『都』――






「ルシア起きて。着いたよ?」


「んぁ?ムニャムニャ。」



そう。魔道船の中でルシアはまた寝たのだ。


魔道船は途中珍しく故障したらしく修理をしていた。

その影響で第4惑星カテラセオスについたのは次の日の朝だった。


相変わらずルシアは寝起きは悪いようだ。

行為後ほどではないが、中々意識がはっきりしてこない。



「ほら。そろそろ着陸だよ。起きないとね。」


「うん。起きる。また寝ちゃってた?」


「それはもうぐっすりね。」



魔道船の着陸と同時に窓から外の景色が飛び込んでくる。



「え?何これ……今までのどんな星とも違う……なんと言うかうーん?」


「和風って言うらしいよ?カテラセオス独自の建築様式みたいでね。ワビサビ?とか言われてたかな?分かんないけど。」



広がる街並みは完全に和風だ。しかし一つ一つの建物の構造は極めて難解かつ緻密で、その建築技術は他惑星では簡単に真似できない。


首都である風月胡蝶の中心には巨大な商業施設が立っており、建築用の建材のほとんどが木材なのだとか。



「綺麗ね……」


「ルシアさ。前々から思ってたけど綺麗ねって以外の語彙ないの??街並みも剣も何もかも感動したもの全部その言葉で片付けてない??」


「ぐっ……言われてみればそうね……じゃー美しいわね。」


「いや大して変わってないんだけど……」



するとルシアは少しムスッとして



「じゃールークならどういうのかしら!!」


「カテラセオス独自の建築様式が自然と調和して独特な雰囲気を醸し出してるねとか?」


「……何その理論的で回りくどい言い方。鬱陶しい。」


「めちゃくちゃ辛辣!?」



そんな会話はさて置いて僕らは街に入っていった。






街に入ると着物や食事処、団子屋などあまり馴染みのないものが目に飛び込んできた。



「ねぇルーク。この食べ物はなに?」


「柏餅って書いてあるね。」


「柏?この葉っぱの事?食べるの?」



本では基本的に食べないと読んだことがある。

しかし現地の人達の風習が本当にそうかは分からない。



「店主さん。この葉っぱって食べるものなんですか?」


「んん?あーよく聞かれるよ。普通は食べないな。まぁ地域によっては食うって話も聞いたりすっべな。」



なるほど。地域によって食べるという事は基本的に害はないということが。


まぁ僕らの体を害する食べ物はそうそうないけど。



「じゃー2つお願いします。はいルシア。」



ルシアは葉っぱを丁寧に取って食べている。

そうして僕らは歩き出した。



「……なんと言うかヌチャヌチャしてるわね。」


「モチモチと言いなさい……でどう?美味しい?」


「不味くはないわ。食べ慣れてればきっと美味しいと思うわ。でも日頃食べつけてないのもあって新鮮さしか感じないかも……でもこの中のヤツは凄く好きよ。」


「まぁ食文化ってそういうものかもね。僕はかなり好みだな。この中のこし餡とか大好きだ。」



やっぱり食べ慣れた食事の方が感受性は上がる。


初めて食べる料理で善し悪しが分かりにくい。

初めて食べるものは、よほど自身の好みと合致していない限り新鮮さが勝つだろう。


美味しいと感じたとしてもリピートするかは別問題なのだ。



「そこのおにぃさん。私をガイドに雇わなぁい?」



ふっ。既婚者に軟派を仕掛けてくる、馬鹿な女はどこのどいつ……

振り向いた先には、美しい金の刺繍とユリの模様の狩衣を着ている幼女が立っていた。


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