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3話ー➁ 冒険者ランクが複雑すぎる......




「あーあ~。折角の休日がぁ」



 そう呟くとギルドスタッフが、申し訳なさそうにこちらの顔色を伺ってくる。



「申し訳ありません。代替えの休日に加えて、更にはもう1日別の休日を約束いたしますので……」


「報酬も少し上乗せして欲しいな〜。報告より大きかったし、魔法まで使ったんだよ?ダメだったら別にいいんだけど……ただ、ちょっと悲しいな〜。」


「……かしこまりました。上に掛け合ってみます。」



 チョロ......


 ギルド側に罪悪感を与えて報酬と休日を上乗せする作戦。

 僕の小さな悪知恵が勝利した瞬間だ。これだから臨時の依頼はやめられない。


 依頼は当然、対象を倒してハイ終わり!!という訳ではない。

 書類確認や状況報告、本人確認や身体検査など、様々な事後処理が待っている。


 受ける任務にもよるが、大抵それらの事後処理だけで数時間は要する。


 冒険者ギルドには多くの支部があるが、どの支部でも組織は完璧な規律で守られている。各支部ごとに厳密な管理体制が敷かれており、統一されたプロセスが徹底されている。



 まず、討伐後は解体班と回収班が仮発行する、討伐証明書を提出。

 依頼対象が討伐されたことを証明する。


 その後、討伐の過程や使用した戦術、装備の消耗具合などを詳細に記載した報告書を作成する。


 さらに、今回の場合だと討伐対象の詳細情報、狂化の原因などについても報告する必要がある。


 次に、本人確認が行われ、討伐に参加した冒険者が実際に報告を行っていることを確認する。

 これには身分証明書や魔法による認証が使用される。

 そして、身体検査も行われ、冒険中に負った傷や異常を確認し、必要な治療を受ける。


 そして……まぁとにかく長い。



 そんな長いプロセスを経て初めて報酬が振り込まれる。

 報酬は討伐対象の難易度や報告内容の正確さに基づいて算出される。


 今回のような特別な状況では、追加の報酬や休日が与えられることもある。


 冒険者ギルドの管理体制は非常に厳格であり、これらの手続きを厳守することで、不正や誤報のリスクを最小限に抑えている。

 これまでに不正が発覚したという話は一度も聞いたことがない。



「おにぃ。状況報告待ち。あとで呼ばれる。」


「やっぱりな……今回の事を重く捉えてる証拠だ。今回はただの狂化現象じゃないって事に、お偉いさんも気づいたんだな。上層部が直接報告を聞くと判断するんだ。ただ事じゃないのかも?」


「だね。」



 冒険者にもランクがある。冒険者のランクは天界の序列とは別モノであり、基本的には実績が全てだ。ランクは全部で13段階あり、最高ランクのGランクからNランクまで存在する。ランクは以下の通りだ。        ※( )内カードの色


 ・Gランク  (クリア)

 ・SSSランク (ゴールド)

 ・SSランク (プラチナ)

 ・Sランク  (シルバー)

 ・AAAランク(エメラルド)

 ・AAランク (ルビー)

 ・Aランク  (サファイア)

 ・Bランク  (アメジスト)

 ・Cランク  (トパーズ)

 ・Dランク  (オパール)

 ・Eランク  (シトリン)

 ・Fランク  (ブロンズ)

 ・Nランク  (色なし:冒険ギルド登録者)


 各支部や惑星によって異なる呼ばれ方をしており、地域の文化や風土に応じて、ランク名が異なるため覚えるのは困難だ。


 天上神界の正式なランク表記は、アルファベットが採用されている。



「エリーって今ランク何だっけ?」


「私A。」


「あれ、追いつかれた!?」


「ドヤッッ顔!」



 無表情のまま擬音を口でいうな......


 そしてなんと追いつかれていた!

 少し前までエリーはBランクだったはず......



「どうやってそんな短期間で......」


「お金。」


「は???」


「ドヤッ。」


「何も勝ち誇れんからな?」



 冒険者のランクは、戦闘力だけで決まるわけではない。

 戦闘特化や偵察専攻など、さまざまなジャンル分けがされた上で細かく評価される。


 仕事の依頼も多種多様で、情報収集や解析が得意な冒険者も重宝される。


 ほとんどの冒険者はFランクで止まり、登録だけして何もしない人も多い。

 それでも身分証明書の代わりになるので意味はある。


 また、神族の位に就くと自動的に高ランクが付与されることもある。

 その役職に見合った能力を証明するためだ。


 待てよ?

 それだとうちの妹は投資でもしたのか???



「ルーク様、エリー様。35番受付にお越しください。お部屋に案内させていただきます。」





 僕達はこの時思いもしなかった......


 報告を聞くのににあんな大物が来ている事なんて......


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