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輝冠摂理の神生譚 ~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指す!~  作者: G.なぎさ
第二章 天上神界を覆う不穏編
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――第20話ー① シークレット任務「すとーかー」 『害虫vsサイコパスvsストーカー』――




 僕たちが、根源共鳴の反動で体調を崩してから二日が経った。

体調はほとんど回復したが、今日は仕事を休むことにした。


 妹がかなり怪しい男とデートをするからだ。

休んだ理由は、僕たち二人で尾行するためなのだが......



「ルーク。決戦の日よ。全力でストーキングを実行するわ。」


「そうだね。神術に最高位魔法、スキルに隠密術、認識阻害の装備や魔道具。持ちうる限り最大限使おう。エリーは僕ら並みの実力で、かつ警戒心も強い。どこぞの脳筋夫婦とは違う!」


「それでは作戦を開始するわよ。観察目標は害虫X。きっとゴキブリみたいな気持ち悪い外見よ。」


「いや、それは知らん。」



 そうして僕たちは妹と怪しい男、害虫Xと命名された二人の尾行作戦を開始した。


 今回エリーが害虫Xとデートする予定の「第十惑星ユーストゥス」に来ている。

ここは一風変わったおもしろい文化を持っている。



 この惑星には海抜0mから上に、陸地がほとんど存在しない。

 しかし全体的な海洋の平均水深はかなり浅く、惑星全体の約3分の1が10m未満の水深なのだ。



 基本的に建物は海の中から建設されており、道路は存在せず、その代わりに小舟で水路を移動する。


 舟が数隻並んで通れる幅の、細く入り組んだ水路を小舟で進む。

そしてそれが、陸でいうところの道路の代わりを果たしている。


 また、建物はかなり密集する形で建設されている。

 区間によっては、建物間に張り巡らされた空中通路や、建物内を繋ぐ連結廊下を使って移動できる。



「晴れてたら綺麗なんだろうなぁ......」


「晴れる事もあるみたいよ?でも薄暗くて昼でも明かりが灯る街並みも、綺麗じゃないかしら?」




 街並みの風貌は、海賊のポートロイヤルのような入り組み方をしている。

 加えて、天候が大体曇りのため、年中どんよりとした空気感を放つのだ。



「でもここ......神界惑星の中でもかなり治安悪いよ?」


「......まぁそうね。海賊とか出てきそう......。」


「それは大分偏見だな......」



 そこで僕たちは、主に水の中に潜水して移動することにした。

 そして移動しつつ、隠蔽と暗号化魔法が組み込まれた神術で会話をする。



「エリーちゃんと害虫Xが集合したわ。この映像を見て。」


「ふむふむ。イケおじ?何だこのちょび髭は......全然似合ってないぞ。」



 この映像は先ほど使役魔法で使役したハエと視覚共有し、ハエの視覚を映像化している。

 この映像を映している水中モニターも、エリーの近くを飛んでいるハエにも、隠蔽がかけられている。


 そして……これらのやり取りは全て水底で、しかも腹ばいの状態で行っている。

 これだけ見れば完全に変質者なのだ。



「エリーちゃんが動き出したわ。私たちも動くわよルーク。」


「了解......てか水汚っ!?」



 僕たちは水路の底を泳いで移動し始めた。

 保護魔法で体の周りに薄い膜を作っているが......あまりにも水が汚いので、視力も強化する羽目になった。



「レストランに入ったわ。ルーク。このレストランの評価は?」


「……星5中の星2.9だね。」


「殺すわ。」


「怖っ......」



 そしてしばらく観察を続けた。

 濁っている水底で潜水用のウェットスーツに身を包んで……


 誰にも見られてはいない。

 しかし、段々とこんな思考が僕の脳内を駆け巡る『何やってんだろう......』と



「もう少し観察を続けよう。実はいい人......とかいうオチはよくある。」


「そうね。邪魔をしてしまっては良くないわ。」



 僕たちは尾行と観察を続けた。


 ある時は天井に張り付き。

 ある時は床に成りすまし。

 ある時は小舟の底にしがみついて監視した。


 そして!僕たちは一つの結論にたどり着いた。



「......普通にクソ野郎......」


まっ。現実そんなもんだよね!!


僕は悟りを開くことにした。


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