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65話ー⑥ 不信すぎる『奇妙』






【......ギャァァァァァァァァァ!!!】



 突如として彼の鳴き声が響き渡り、その悲痛な叫びは深い喪失感と絶望を伴っている。

 空間全体がその声に共鳴し、世界そのものが彼の叫びに応えるかのようだ。

 言わずとも分かる、恐らく発見した四代目の状態が芳しくなかったのだ......



「ルーク!あれ見て!!」


「最初の場所か……行きは数メートル下も見えなかったのに、こんなにクリアに……」



 ――僕たちはいつの間にか、元いた魔王城のような場所に戻っていた。


 バリバリと音を立てながら、封印されていた男が徐々に人型へと戻っていく。

 その姿は依然として圧倒的で、彼がただ者ではないことを強く物語っていた。



【ゼレス!なんで来たんだ!!】


「……」



 四代目は見るも無残な姿をしていた。黒い粘液のようなものに包まれ、辛うじて人型を保っているに過ぎない。

 それはもはや、四代目としての面影すらも薄れつつある。



「あ~やっぱりゼレスちゃんこうなったかぁ……」


「キヒ……キヒヒ……興奮するぅぅぅ。」



 後ろから留守番組のエテルノとネオンが駆け寄ってくる。



【お前……エテルノ!!分かってて送っただろ!!】


「だってそうしないと、君はあそこから絶対出てこないじゃ~ん?」


【全部分かっててゼレスを送りやがって!ふざけんな!!】


「……ふざけてるのは君さ。」



 その瞬間、エテルノの声色が一変した。普段のおちゃらけた雰囲気とは打って変わり、冷徹そのものの声だった。

 そのあまりの冷たさに、ネオンでさえルシアの背後に隠れてしまう。



「この子が全神王になって……君が生きてるって知って、どれだけ喜んだと思うの?」


【ゼレス……】


「いつまでそうやって不貞腐れてるのさ?君らしくもない。」


【なんでだよ……】



 その言葉には、耐え難いほどの苦痛が宿っていた。

 彼の声の裏には、自分でもどうしようもない感情が滲み出ているようだった。



「ネヴィア……まだ独身なんよ?」


【ッ……】


「ずっと君が死んだと思ってる。世界一級機密は、神界で全神王しか閲覧権限がないの……」


【バカ、忘れてろよ……】



 僕には……彼が単に不貞腐れているだけとは思えなかった。

 その言葉の端々に滲む悲壮感は、単なる自暴自棄では片付けられない重みを持っているように感じられた。


 しかし、そうなると四代目は初代の時代の末期には、既に生まれていたという事だろうか?



「無理よ、あの子は今でも……あんたが世界の全てなんよ?」


【もういいだろ……ゼレスを助けてくれ、何かあったら会わせる顔がねぇ。】


「うっし~!暗い話は終わりっと~!!姫~?治せそ?」


「キヒ?い、いけるぅぅ……でもここじゃ無理ぃぃ。」



 完全に輪郭を失いかけている四代目を治療できる術があるのか? 

 いた、恐らくエテルノが前々からネオンに研究させていたのだろう。こうなることを見越して......



「でもどうやって帰るんだよ。ここに来た方法も良く分からないのに。」


「そうね……」


「あたしに任せんしゃい~! 帰り方だけ知ってんのよ!」


【だろうな……】



 エテルノは亜空間から、ひし形の宝石のようなものを4つ取り出した。



「ほい、みんなこれをどうぞ~。お姉さんのヘソクリだぞ!」



 正直、ネオンの緩衝材くらいに考えていたが.......認識を改める必要がある。

 彼女は仲間ではあるが警戒人物の一人だ。三代目の事と言い、明らかに不信な点が多い。



「本当に何者なんだよ……」


「そうね……流石に気になるわ……」


「それは~おいおいね? とにかくその宝石を砕こ!そしたら戻れるよん~。」


【……】



 不信感は拭えないが、今の四代目の状況を考えると、長く放置するのは得策ではない。

 僕とルシアは互いに目くばせし、言われた通りに宝石を手で砕いた。


 先ほどとは逆に、今度は白い光が僕たちを包み込む。



 ――次に気が付いた時、僕たちは元いた遺跡の中に戻っていた。






 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 エテルノの不審な発言に、十神柱ギネヴィアと彼との関係性......

 しかし取り出された宝石はたったの四つ?


 ついに仲間集め編も終わりを迎えつつあります!!


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は

 【応援】や【レビュー】をしてくれると超嬉しいです!!



 【【お知らせ】】中盤執筆の為、しばし毎日投稿じゃなくなります。




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