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――第5話ー① ナンパはお断り!と思ったら「おじいちゃん」!?   【大きな迷子と親切な老神】――

 





 私の名前はルシア。

 大好きなルークとはぐれて迷子になってしまった。



「はぁ……もっと大人しくしてれば良かったわ……」



 平常を装ってはいるが、内心は顔面蒼白......

 旅行の計画は全てルークに任せっぱなしで、地理も何も知らない。


 正直に言えば焦っている。

 寂しい……悲しい……不安で泣きそう......ぅぅ......コワイ。


 今にも泣き出しそうなほど心細い気持ちを、何とか堪えて平常を装っていた。


 オマケにこの観光街。治安維持の為、戦闘行為に使用される可能性のある魔法を抑制する結界が張ってある。



「…………」


「どうした?顔色が悪いぞ?」


「ナンパはお断りします。」



 振り向いた先に立っていたのは、美しい深紅のロングマントと貴族服に身を包む老人だった。


 髪と髭は長いが、とても清潔感があり、落ち着いた雰囲気がある。



「いや。私はナンパではない。」



 私は客観的に見ても美形だ。しかしナンパだと決めつけたのは早計だった。



「そのようですね……申し訳ありません。」



 ただ、この老人。腰が折れていたりする老人ではない。

 高級そうな格好をしており、恐らく老神だ……更には圧倒的な風格までも兼ね備えている。



「何か御用でしょうか?」



 ナンパではないのかもしれないが......

 かなり怪しいので私は警戒を続けることにした。



「人でも探しているのかね?」


「!?」



 一瞬で見破られた?何かの魔法を使われた?いやそれはない。

 ここは魔法禁止&使用困難な観光地。



「なるほど。つまりはぐれたのだな?」


「あなた何者なんですか?」



 只者ではない……私は一瞬驚いたが、ほとんど顔に出さないようにしていた。


 戦闘中に相手に心情を悟られないよう日頃から訓練している。

 そう簡単には見破れないはずがない。



「まぁ歳の功ってやつさ。それとね。先程、緑色の髪をして、庶民っぽい格好をした上位神が連れ人を探していてね。」



 間違いない、ルークだ。

 圧倒的コミュニケーション能力で色んな人に聞いて回っているのだろう。


 羨ましい......そのコミュ力が欲しい。



「その人で間違いないです。」


「方向音痴らしいね?私が彼の所まで連れていこう。付いて来たまえ。」



 そんなことも言いふらしているのか、あの旦那は!そして私は方向音痴じゃない。



「私は方向音痴ではありません。方向は分かりましたので1人で大丈夫です。」



 そう言って私は老人の歩いてきた方向を歩き出した。



「……逆だが?」



 ......つもりだった。



「……私は方向音痴ではないですが、地理が分からないので着いていきます。」



 変な場所に連れていかないかと心配になったが......このまま1人では精神が持たないので大人しく着いていくことにした。



「おじいさんは何者なんですか?」


「ほぅ?初手からまぁ随分と失礼な質問だなぁ。昔は確かに冒険者をやっていたよ。」



 これまでの経験から表情を読み取ったが、嘘をついている様子は無い。



「……さぞお強くて御有名だったのでしょうね。」



 これくらいの実力者なのだから恐らくハッキングをかけて、データベースを洗い出せば出てくるだろう。私はまだ警戒を解いていない。



「強かったか......うーむ。何とも言い難いな。冒険者としては無名だった。グランドギルドマスターと縁があってね。登録だけさせてもらっていたのだよ。」


「何か苦戦したり、強かったと思った相手の話はありますか?」



 噂話や伝説などが残っていたり、公的な記録として戦闘記録があれば身元を割り出せる。そう思い、かまをかけていたのだが……



「随分と警戒しているようだね。冒険者以外にはそれなりに遊んだが......どこにも苦戦するほどの相手はいなかった。幸運にもね。いや1つあるか?悩ましいな。」



 何ともうまく躱されてしまった。

 流石に初対面の人にこれ以上、問詰めるのは失礼にあたる。



「それは幸運ですね。私はあなたよりも若いですが......何度か死にかけました。」


「それは災難だ。生前も含め大変だったのだろうね。」



 そうこうしているうちに、ルークが近くにいる気配を感じ取った。


 実は私達はただの恋仲じゃない......



 ......特別な存在なのだ......



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