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42話ー➁ みんな魔獣になりました......は?

 





「簡単よ。みんな居なくなったの。ヴァラルとの戦争でね。」


「へ?」


「そ、それは神界が負けた......という事でしょうか?」



 民あっての国家だ。

 たとえ領土の主要惑星を守っても、人民が全滅してしまっては意味が無い。



「何とも言えないわね……死んだというよりも改変させられてしまったの。その昔、この神界には魔獣はいなかった。こう言えば少し想像つく?」


「それはどういう……」



 ルシアは分かっていないようだ......

 しかし、僕は一瞬にしてその恐ろしい「解答」に辿り着いてしまった。



「狂化ウイルス......なるほど。」


「そう。これだけで答えに辿り着くなんて......あなた異常ね?」



 実は以前から神界の対応が異常に早かったのが引っかかっていた。

 いくら栄華を極めた神界でも、ここまで迅速な対応は可能なのだろうか?


 しかし、これで説明はつく。答えは以前対処した事があるからなんだ。



「そうなると4代目のあの発言も納得できる......」


「ちょっルーク!?私を置き去りにしないで?」



 あの時4代目は『ヴァラル対応が遅れている』と謝罪し、今後に不安に感じていると発言した。

 これは神界が、かつて狂化ウイルスで壊滅した事を踏まえて出た発言なのだ。


 すると雷華様が話を続ける。



「近年、魔獣が沢山確認されるでしょう?あれも少し語弊があるのよ。」


「語弊......ですか?」


「正確にはね。ヴァラルを封印した事で、狂化因子が沈静化していただけなの。反対に近年活発化しているのは、ヴァラル本体への封印が弱まっている証なの。」


「僕とエリーが発見した狂化キノコは、今現在ヴァラルが新たな狂化ウイルスを広げている証拠になったのですね……」


「それだけじゃない。あれは新型。つまり再び同じ惨劇を起こそうかもしれない......その証拠を掴んだから、あたなは評価されたの。」



 既に神界は、狂化魔獣が増える原因については突き止めていたのだ。

 だからこれといって大きな対策を打たず、討伐する冒険者の強化・増員に勤しんでいたのだろう。


 4代目が僕らを呼びつけてわざわざ感謝を述べたのは、ヴァラルが

『新たに狂化ウイルスをばら蒔いている』という新事実を明るみに出したからだ。


 話が繋がってきたが、まだ引っかかる点もある。

 生き残った国民や下位神が完全に0と考えるのは不自然だ。


 そうした人たちはどこへいったのだろう。

 そして全員が全員沈黙を貫くことはできるだろうか?



「まさか自分達を脅かす魔獣が、元神界国民の成れの果てなんて、公表できるわけないでしょう?結果的に初代、2代目の事やその前の世界の事も丸ごと機密にする流れになったのよ。他にも意図はあるでしょうけど、私が知ってる......いえあなた達に話せる情報はこの辺りね。」


「ありがとうございます......不透明、不明確は部分はまだ多いですが大枠は理解いたしました。」


「わざわざ私達の為に時間を作って頂きありがとうございます……ですが一つよろしいでしょうか?」



 どうやらルシアも何か引っ掛かる事があるらしい。



「生き残っておられる神々が狂化ウイルスに狂わされていないのは何故でしょうか?」


「狂化ウイルスは一定以上の【抵抗力】または【魔力量】を持つものに対しては効果が薄れる。それでもあの地獄で私達が生き残るには、運と実力が必要.......幸い運は良かった。十神柱の5柱が前線から退く程の熾烈な戦争だった。ちなみに5柱の現在の生死も不明よ。」



 やはり十神柱はただ退いた訳ではなかったようだ。

 するとルシアは続けて話し始める。



「2代目……いえお父上様はその責を取られて退位なさったのですか?」


「いえ、全く?元々2代目即位も乗り気ではなかった。初代に頼まれて了承しただけよ。多分お父様の計画にも必要だったのだと思う。」


「そうなのですか?」


 僕もルシア同様にそう思ったが.......

 どうやら2代目は責任を取って退位した訳ではないらしい。



「そもそも父上を含めた管理者達がいなければ、神界はヴァラルの手に落ちていた。最も作戦にも問題はあったのだけれど……」


「作戦……ですか?」


「雷華様。可能でしたらその辺のお話を詳しく教えていただけないでしょうか?」



 この話は重要だ。何故天上神界の国民が壊滅したのかが分かる。

 またヴァラルがどんな人物なのか、推し量ることができるかもしれない。



「この作戦は機密情報よ?私も母上から教えて貰っただけで、本来なら知りえないはずの話。だから絶対に他言無用。こちらで我が家の記憶保護術もかけさせてもらう。それでもいい?」


「はい。」


「私も問題ありません。」



 段々と当時の神界の状況が分かってきた気がした......

 しかしこの後に聞く作戦内容は、お世辞にも最善と呼べるものではなかった。




 どうもこんにちわ。G.なぎさです!

 ここまで読んでくださりありがとうございます!


 皆さんお気づきかもしれませんが......

 2代目は国民がほとんど死んだ?事なんてちっとも気にしてません。


 初代もヤバいですが、2代目はまた違った意味でヤベェ奴です!


 もし面白い、続きが気になる!と思った方は

 【応援】や【レビュー】をしてくれると超嬉しいです!!


 更新は明日の『『20時過ぎ』』です!


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