38話ー➁ 世水の番人
教えてもらった場所に着くと、赤い丸扉に猫の絵が見える。
しかし共通語では無いのか、看板に何と書かれているのかは分からなかった。
「ルーク……この言語見たことある?」
「無い……手当り次第に語学を習得してる僕でも、知らない言語だ。異常に古いか......マイナーかのどちらかだよ。」
すると丸い扉が開き、水色の長髪を引っさげた猫耳の少女が出てきた。
身長はエリーより更に5cm程度小さく、髪はまるで流れる水面のように絶えず色彩を変える。
雰囲気はエリーとどことなく似ている。
「お客さん?ですか?中にどぞ、です。」
「おにぃ。同類の匂い。」
「ハハ……だろうな。」
僕は水色髪の後に続き店の中へと入っていった。
「私の名前。ミミ・アナムネシス。よろしく、です。店主、です。こっちに居る老猫。パートナーのカーディア、です。」
聞き取りにくぅぅ.......
エリーより聞き取りにくい!!何て言ったのか良くわからん!!
そして指をさした方には、毛の長い大猫座っている。
枯れたよな茶色の老猫で、慈愛に満ちた静かな眼差しを向けてくる。
「よろしくお願いします。僕はルーク・ゼレトルス。隣はルシア。後ろが妹のエリーです。」
一人一人自己紹介して言ったら締まりも悪い上に......とにかくダサい!!
お遊戯会のようになるのは回避しなくてはならない。
なので『ゼレトルス』の姓を持つルシアとエリーは僕の方で紹介した。
「んで!俺がガリブ・サーラントだ!よろしくな!」
「そんで!あたしがベレス・サーラント!よろしくねシスシス!」
このクソ野郎どもがぁぁ!脳の中に筋肉さえ詰まってないのかぁぁ!?
敬語を使え敬語を!!頭の中どんな構造になってんだ!?
「記録した、です。ルークにルシア、エリー、ガリブ、ベレス。よろしく、です。それでご用件。何?あと敬語いい、です。」
「......OK分かった。実は効能が高い霊薬を探してるんだ。何かあったりはするかな?」
店内には、いつから置いてあるか分からないほど古いランプや、ホコリの被ったオルゴールなど様々売っている。
唯一新しい物といえば食品類くらいなものだ。
お世辞にも、ここに効能の高い霊薬が置いてあるとは思えない......
ここに来る前に中央惑星の在庫を手当たり次第に調べたが、そんなものはなかった。
するとミミと呼ばれる店主が口を開いた。
「ある、です。持ってくる、です。」
「え?あ、あぁよろしく……」
え......あるの?
失礼だけど薬草と霊薬、間違えたりしてないよね?
ミミはガサゴソと奥の棚を漁っている。
そしてボロボロの木箱に入った霊薬丸が姿を現した......
「これと、これなんてど?ですか?」
「随分と管理がずさんだなぁ......これじゃ効能が落ち.............は?」
ん~??......なにこれ?レベル違うんだけど。もちろんいい意味で......
「ルークこれ......とんでもない代物よ!?国宝レベルの効能があるわ。ミミさん……これを一体どこで?」
現実は小説より奇なりとはよく言ったものだ。
これが手に体内に完全に取り込めれば、短期間で激的に強くなれる。
霊薬は体内の魔力や資質を、高める効果がある。
今ここにある霊薬は、飲んだだけで永続的に魔力と身体能力を7〜10%ほど向上させる代物なのだ。
てかここ最近で、立て続けに国宝級に出会いすぎだろ!?
「私。作った。あ......です。」
.
.......なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?!?!?
どうもこんにちわ。G.なぎさです!
38話ー➁をここまで読んでくださりありがとうございます!
出てきた霊薬はなんと国宝超え?似た展開をどこかで......
一気に十神柱に近づけるほどの霊薬を作れる人物?
平穏な38話!次回で最終です!!是非ご覧ください!
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