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輝冠摂理の神生譚 ~どうやら天才らしいので、嫁と神々の王を目指す!~  作者: G.なぎさ
第二章 天上神界を覆う不穏編
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――第35話ー① エリーを覆う過去の気配――







「ルーク……行かないで……私を置いて行かないで。1人にしないで……」



 私は暗闇の中でもがいていた。

 何も見えない。自身の手すらも見えない。


 本当に私は存在しているのだろうか?

 そんな不安が押し寄せてくる。


 ルークが死んでしまったのが現実で……

 奇跡的に生き残ったというのが夢なのではないだろうか……



「私……都合のいい夢を見ていたのかな……ルークはもう……死んじゃってて……」


「大丈夫だよ。大丈夫。」



 するの聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 優しく……包み込むような暖かい無垢な声。



「迷い込んできたの?もしかして暗闇にいるみたいになってるのかな?感度はもう1人の方が高いみたい?」


「……お願い助けて……もう何も分からないの……不安で押し潰されそうなの……」



 私は声の主に親近感を抱いていた。

 本能で感じる。この人は自分を害さないと。

 恥も礼儀も忘れ、私は子供のようにただ声の主に懇願した。



「いいよー!今明るくしてあげるね。瞼を降ろして。1、2、3で開けてね。はい閉じてー。いーち。にーい......いち!!」


「……あっ。」



 美しい草原。遠くにそびえ立つ巨大な樹木。

 蝶や鳥が舞い、美しい花々が咲き誇っている……楽園と呼ぶに相応しい場所。


 目の前に経つのは裸足の白い美少女。

 思わず同性の私でさえ見惚れてしまうほどの美しさ。


 しかしその服は薄着だ……

 まるで先程まで寝ていたかのような、そんな格好……



「どう?見えた〜?先に答えるね!ここは私が住んでる世界。真っ暗だったのはこの世界をあなたの意識が感知できなかったからだよ〜。ちなみに私、前にアイスあげたママだよ!」


「ママ?ママなの?」


「そうママ!おいで〜ギューってしてあげる。」


「うぅぅギューするぅ。」



 圧倒的な安堵。初めて感じる母の愛。

 四つん這いになって、白髪の美少女の元に駆け寄っていった。


 そのまま抱きしめて貰う、最終的には膝枕までしてもらっている。



「ルーク生きてるの?死んでない?夢じゃない?」


「夢じゃないよ?ちゃんと生きてるから大丈夫だよ。ヨシヨシ。」


「ママが助けてくれたの?」


「半分はそう。でも半分はルークのおかげだよ〜。いっぱい褒めてあげてね。」



 安心する。まるで暖かな何かに包み込まれたようだ。

 触れている部分は少しでも全身に温もりを感じる。



「エリーも生きてる?本当は死んでたりしない?」


「うーん。今回は生きてるね。」


「今……回?」



 身の毛もよだつような過去の気配……


 これまで、幼児化によって消えていた理性が一気に舞い戻ってきた。






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